内と外

やっぱり私塾だった

昨日、「中国はオリンピックで、きっと海外資本の力を盛大に借りているに違いない」と書いたら、中国に根を下ろしてご活躍のブログ仲間であるharabouさん(id:yhara90)から、現地でしか知り得ない事実の一端をご教示いただいた。僕は北京オリンピックをテレビ…

中国のプラグマティズム

昨日の、オリンピックの話の続き。テレビ中継で見る限り、中国のオリンピックに現地色が薄く見えるという話の続きである。僕が思ったのは、中国はプラグマティックな国、目的のためにはとことん手段を使いまくる国だなということだ。事情に疎い素人が想像で…

冷泉彰彦著『「関係の空気」「場の空気」』

発刊当時話題になっていた一冊であることは知っていたが、人に勧められて読みとても面白かった。 著者の冷泉さんはアメリカの大学で日本語を教える教育者で、村上龍主宰のメルマガ『JMM』の常連執筆者でもある。本書は日本語の専門家である冷泉さんが考える…

ブログを楽しみのためではなくやるとしたら

ニューヨーク・タイムズが掲載したブロガーの現状をめぐる記事を読んで、彼の地のブログ事情に驚いた。僕はアメリカのブログはいくつかをときどき目にする程度で、ほとんどその状況を知らないに等しいので、とても勉強になった。いやはや、すさまじい話が書…

世界一住みやすい都市

写真ブログで使わせてもらっているgooを見ていたら、「世界一住みやすい都市ランキング」というレポートに行き当たった。世界的に評価されている二つのコンサルティング会社がそれぞれ作った「住みやすい都市ベスト20」が紹介されている。二つのリストを眺め…

スウェーデンで体験したクラブのひととき

以前の仕事でスウェーデンに行ったのは西暦2000年。そのときに生まれて初めて「クラブ」なる場所を体験した。日本にもあるでしょ、そういう名称の施設が。銀座や六本木なんて場所にたくさん。近年は類としてさらに進化を遂げて“キャバクラ”なんてものも増殖…

東京グルメ

アメリカに住まっている友人・知人が日本に来るとほとんど例外なく「食べ物がおいしい」と喜ぶのは、自分が数年だけだが彼の地にいた時を思い出しても、とても自然な感情に思える。日本で生まれた者にとって日本の食事はいちばん。僕は日本に帰ってくると、…

千年の昔から

勢川びきさんの四コマ漫画は、見た目は軽いが突きつけてくるものはいつも深い。なぜかと言えば、テーマのある場所にまっすぐに突き進む作者の問題意識が深いところに根ざしているからだと思う。それに勢川さんは自分の気持ちを表出することにためらいがない…

『ポケモン』のおにぎりとドーナツ

昨日書いたmmpoloさんのエントリーを媒介にさせていただいた翻訳に関するモノローグは書いていて楽しかった。今日も、その続きを少し。mmpoloさんの引用によれば、亀山訳の『カラマーゾフの兄弟』を論じる際に沼野充義さんは、ロシアの食い物をなんと訳出す…

大江ワールドと「気持ちいいアメリカ」

今日も「気持ちいいアメリカ」の続きになる。圧倒されつつ、うんざりされつつと、いつもながら複雑な気分の読書を余儀なくされる大江健三郎。いま読んでいるのは2005年9月発行の『さようなら、私の本よ!』であるが、この本に登場するのは最近の大江本におな…

気持ちいいアメリカ

勢川びきさんの『気持ちいいアメリカ』を読んで、思わずお星様をつけるマウスの一押しに力がこもってしまったような気がする。ここ一ヶ月、社内で数字作りに励むと同時に、営業に歩き回る日々を東京で続けていると、ときどきアメリカやドイツのことや、そこ…

すれちがうあなたとは会話できない

僕が生まれて初めて大きな企業に勤めた結果得た功徳があるとすれば、それは僕なりに世間と折り合いをつけることができたことではないかと思う。まこと大きな企業にはさまざまな人々がうごめいており、閉じられた場所に出現した世間そのものだった。もし、良…

隣のいい人がたいがい仕事人間だったりする

梅田望夫さんの『ウェブ時代をゆく』に関するブックマークかはてなスターがご縁で知り合った『われ思う、故に…』のtsuyokさんは、アマチュア・オーケストラで打楽器をおやりになっていたり、コンサートスクウェアというクラシック音楽のコンサート告知サイト…

人は何と向かい合っているのか

茂木健一郎さんが「ボクは梅田さんと気が合う」と書いてある文章が『クオリア日記』にある。昨年の5月、お二人の対談集である『フューチャリスト宣言』が上梓された際の記者会見の実施を伝えるエントリーだ。それは、茂木さんが梅田さんとどのように気が合う…

遠慮する日本のわたし

一昨日、写真家の橋村奉臣さん(HASHIさん)から思いがけない電話をいただき、昨晩夕食をご一緒することができた。12月中旬にお会いしてからまだ一月も経っていない。間髪を入れずの帰国に驚いたが、忙しい合間を縫ってお声をかけていただけるのはうれしい限…

エレベーターで女性を譲らない私

今の会社に転職してきて妙な感心をしたのが、女性が一歩下がること。比喩的な意味ではなくて、物理的、即物的、視覚的に、会社のエレベーターに乗ると、そういうことが起こる。40代の僕に若い女性が気を遣ってくれて、出口を譲ってくれるのだ。誰が決めたル…

『harabou's blog』に読む中国の今

「Chinaの方の中国の片田舎で、日系企業の駐在員をやっています」とお書きになっているharabouさんのブログは、ただの一度も中国に足を踏み入れたことのない僕にとっては、多面的な世界の成り立ちようを教えてくれる貴重な窓のようなものだ。次のエントリー…

海外の新聞は写真もいい

アメリカの新聞にはうまくイラスト、グラフィックデザインが使われているという話を書いた。そのことはずっと感心していたことだったのだが、写真の質の高さについて気が付いたのは、つい先日のことだ。イラストの話を書くために久しぶりに紙版のニューヨー…

外国語で会話をする二人

戦前に書かれたものを読むと、その本題が何であるかの如何に関わらず、昔の文化人の教養の高さに畏怖の念を覚えることになるのだが、文化人とは言わない、いったい大正時代に大学を出たインテリないしインテリもどきの学力の程度は、その当時の世界的水準に…

我、日本文化を愛す

熱海に遊んだ二日間、テレビも新聞も、インターネットにもさわらなかった間に現実の物理的な雲向きがいっぺんに変わってしまい、出かける前は「来週も晴れるでしょう」だったはずの天気予報が連日の雨と曇りを伝えている。狐につままれたような気分。秋霖の…

換骨奪胎

戦前に活躍したドイツの建築家ブルーノ・タウトの名前は、日本では桂離宮や日本建築、日本文化の紹介者としてつとに有名だ。タウトがどんな建築家は知らなくても桂離宮をべた褒めしたガイジン建築家の名前は多くの人が知っている。僕のタウトの知識もそのレ…

原発事故が引き起こす普遍的関心

essaさんのエントリーで、海外のメディアが一斉に柏崎原発に注目している様子を教えてもらった。■海外メディアは柏崎原発に注目している(2004年7月19日) さすがにessaさんの目のいきどころは違うなと感心しつつ、同時に少し以前の原発事故を思い出し、さも…

すみません

これは野球の話ではないけれど昨日のエントリーに連なる話題になっている。アメリカ人と日本人の視線の違いという話のバリエーションなのだが、僕はアメリカ人が「I'm sorry」と言うのを聞くたびに、日本とアメリカの距離を感じるという話。つまり日本とアメ…

日本の野球放送、アメリカの野球放送

NHKの大リーグ放送を見るときにはだいたい英語のサブチャンネルで見る。僕の英語力はたいしたことがないので、一生懸命に聴いても意味がくみ取れないところもある。不便は不便なのだが、そうしないとどうも大リーグを見ている感じが遠のいてしまうのだ。一つ…

褒める組織

井川がまたぱっとしないピッチングをしたようだ。ニューヨークのタブロイド紙の記事が棘のあるものになってきた。「伊良部がいい思い出に見える」という言い方があったそうで、まことに品がないが、高額の報酬を得てやってきた以上こうした嘲罵はニューヨー…

子どもで遊ぶ

昨日、会社に出かけてその日の内に処理しておいた方がよい仕事をやっつけた後、休みをもらって息子の高校野球の試合に駆けつけた。朝からふったりやんだりだった雨は試合開始後勢いを増す様子で、とても野球日和とは言えなかったが、球場は対戦する2校の子ど…

天気予報の話

一年坊高校球児の末の息子にとって、当たらない天気予報ほど恨めしいものはないらしい。晴れていれば数日おきに5時半起床で野球部の朝練に出かけなければならない。夜のテレビで「明日は明け方から雨になるでしょう」などと聞かされると「おっ、やった」と小…

強くなくては

数日前にヤンキースで苦闘する井川のことを書いたエントリーに対し、Emmausさん(id:Emmaus)から「中山さん、日本と違うアメリカの厳しさの中で生き抜くには先ず何が必要と思われますか?中山さんのアメリカ経験で。」と思いもよらなかった難しい問をさらり…

井川慶の直面している現実とアメリカのビジネスの厳しさ

週末の午前中、外出しないときはたいがいNHKの大リーグ放送をつけっぱなしにしている。今日はヤンキース対アスレチックスのゲームで、井川がマイナーから上がってきて初めての先発だった。3回ツーアウトまではランナーを一人も出さないピッチングだったのが…

アメリカの宇宙人

長男の机の上にアーモンド型の真っ黒な目をした、緑色の可愛い宇宙人が乗っかっている。アメリカの小学校でいちばん仲がよかったお友達ハリーからかつてもらったプレゼントだ。小学生同士のプレゼントでキモかわいい宇宙人というのがアメリカ人らしい。 僕自…