2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

新しいことに挑戦できない企業(わたくし)

企業のIT武装もどんどん進んでいる。現時点でもっとも人気があるトピックはSOAとSaaSというところだろう。昨日もある商用セミナーでSOA関連の講演を覗いたら、鈴なりの人だかり状態だった。二つのコンセプトは、何れもIT投資の効率化、コスト…

「ブルックナーの5番はどの録音がよいか」補筆

書き足りなかったことを少し付け加えておきます。 ブルックナーの5番は4番、7番、8番あたりと比べると実演で取り上げられる頻度は低いですから、そもそもそれほど熱心にコンサートに通わない僕の場合実演で聴いた回数には限りがあります。数えてみたらたった…

ブルックナー交響曲第5番はどの録音がよいか

今日はクラシック音楽おたく以外の方にはどうしようもなくつまらないネタになりますが、お許しください。知り合いのK氏から「ブルックナーの交響曲第5番の録音は何がいい?」とメールが入っていました。浅薄な知識しかないし、そもそも人の好き嫌いは偏って…

僕にとってのブログ

CNET Japanの佐々木俊尚さんのコラムで「ブログ限界論」をめぐって集まりがあり、当日の会合もそれに前後するブログ界隈でもそれなりに盛り上がったのを知る。佐々木さんの文章や徳力基彦さんのブログなどでその様子を想像することができる。そもそもの発端…

夏目雅子に

『yasuの「今日もブログー」』のyasuさんが最新のエントリーで映画「瀬戸内少年野球団」を取りあげている。その一節を読んだ瞬間にある記憶のスイッチが起動した。 何よりも観るものを虜にするのは、教壇に立つ駒子先生を演ずる夏目雅子の圧倒的な美しさ。 …

役員が『ウェブ時代をゆく』に言及した

仕えている役員が「梅田望夫さんの近刊『ウェブ時代をゆく』はたいへんいい本なのでぜひ読むように」と社員に勧めた。一昨日起こったほんとの話である。僕は「へぇー」と思ってしまった。そこで問題です。僕が「へぇー」と思ったのは何故でしょう。 A.さす…

仕事ができる上司は

自分が「うざい親父」であり、「うざい上司」であるであろうことは論を待たないだろうなと、ときどき思う。「そんなんじゃ駄目だ」みたいな言い方を平気でしている。あとで、相手にとって見れば、駄目って言われてもどうしようもない、それこそそんな言い方…

ドレスデン国立歌劇場の日本ツアーブログ雑感

クラシック音楽ファンのBさんが、ドレスデン国立歌劇場のサイトに日本ツアーの模様を伝えるブログが掲載されているのでご覧になったら、とメールで教えてくれた。早速行ってみた。歌劇場の広報スタッフの人が綴った滞日日記である。こういう有名人ではない…

立花隆著『ぼくはこんな本を読んできた』

立花隆著『ぼくはこんな本を読んできた』が、立ち寄ったあるオフィスの本棚に並んでいた。横には「差し上げますので、ご自由にお持ちください」と書いた張り紙がある。仕事が終わった後、なんとなく手が伸びて、その姿勢のまま最初の十数ページを読んだ。奥…

美崎薫さんからクレームが

昨日、「美崎さんは“楽をしたいためにやっている”と言っているけど、誰が見たって好きでやってるに違いない」と書いたら、メールでクレームをもらった。クレームという言い方は冗談半分の口調なのだけれど、美崎さんの思いと異なるということなので、その点…

江川から大場までの距離

一昨晩、帰宅後にドラフトでソフトバンクの一位指名を受けた東洋大学の大場翔太投手が満面の笑みを浮かべてインタビューに応じ、王監督に挨拶をしている映像を見た。大場君の、うれしくって仕方がないといった笑顔を見ながら、30年で世の中がどんな風に変わ…

美崎薫さんの「PilePaperFile」を見てきた

お茶の水女子大学とヒューマンインタフェース学会SIG-UBIの主催するセミナー「ユビキタスコンピュータは生活を変えるか」で美崎薫さんの「PilePaperFile」の実演を見てきた。11月17日(土)、お茶の水大学にて。正確には美崎さんの「記憶する住宅」を初めと…

梅田さんが書いたこと、書かなかったこと

11月16日(金)に書いたエントリーの続き、「ここで書かれていることと、梅田さんが彼のブログや、本書『ウェブ時代をゆく』の中で繰り返している「大きな企業に勤めるだけが人生じゃないよ。みんな、もっと多様な生き方を視野に入れたらいいのに」という趣…

ピョートル・アンデルジェフスキのリサイタルを聴く

今年2度だけ自腹を切った音楽会は二つともピアノ。2月のアンスネス、それに一昨晩11月17日のピョートル・アンデルジェフスキの二人だ。堪能した。2月にアンスネスを聴いたときに何を書いたかなと思って自分のブログを遡ってみたら、思った以上の繊細さという…

ピアノを聴いてきた

昨晩は今年自分でチケットを購入した二つの演奏会のうちのひとつ、ピョートル・アンデルジェフスキのリサイタルに行ってきた。堪能した。感想を書きたいのだけれど、残念ながら時間がない。昨日の『ウェブ時代をゆく』の感想も、まだ書きかけのような状態な…

それは経済のゲームではなかった

去年の暮れ、僕は梅田望夫と平野啓一郎の対談『ウェブ人間論』の感想をこんな風に書いた。梅田さんがネットの世界の経済活動は規模的には案外限りがあると発言し、それに対して平野さんが「そうですか。僕なんかが『ウェブ進化論』を読んだ感じでは、もっと…

野良猫

『ウェブ時代をゆく』についてはもう少し書きたいことがある。ただ、これから先はもう一度テキストにあたって少し考えをまとめないと、誤読の恐れなきにしもあらずなので、続きは後日にしたい。あせらずゆっくりと。『ウェブ時代をゆく』に書かれているメッ…

池田信夫blogの『ウェブ時代をゆく』批判を読んで

梅田さんのサイトからリンクをたどり、『ウェブ時代をゆく』にも登場する小飼弾さんのブログを経由して池田信夫さんのブログ(たまに目にしている)に到達した。そこで強烈な梅田批判の一文を読んだ。http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/c3fd47bcbacc477d63…

『ウェブ時代をゆく』は梅田さんがはっきり出た本だ

梅田望夫著『ウェブ時代をゆく』が力作であることは言を待たない。著者の力の入り方は並大抵ではない。何よりも、その熱意と知力によって次代を担う若者たちの精神的な先導者たろうという梅田さんの心意気に、まずは一読者として敬意を表しておかねばならな…

仕事ができる人は

僕が勉強することに興味を覚えるようになったのは、所定の教育システムをなんとかやり過ごしたあと、いわゆる「社会人」になってからである。自分が興味を持つ領域のものごとを、自分にあったペースで、自分の好きな方法で追求していくと、知識や技術がきわ…

梅田望夫はかつての村上春樹なんじゃないかな

買い置きしていた梅田望夫著『ウェブ時代をゆく −いかに働き、いかに学ぶか』にやっと到達した。昨晩から少しずつ読み始めているところ。村上春樹の『走ることについて語るときに』を読んだ次に『ウェブ時代をゆく』にとりかかるのは、読書のつながりとして…

村上春樹が僕に教えてくれたカジュアルな格好よさについて

我々の世代にとって、村上春樹の小説は蠱惑の壺であり毒だった。hayakarさんのエントリー「僕と鼠」は、その雰囲気を見事に押さえていて、一昨日はこれを読みながら一瞬の物思いにふけることになった。文学が大衆の嗜好を先導し時代の風俗に影響を及ぼすのは…

人間捨てたものじゃない

はてなの近藤社長が3回にわたって最近の会社のサービスレベル向上に向けた取り組みについてダイアリーで報告している。その第3回に当たるユーザビリティー・テストの記述。 昨年末に初めてテストをした時のことは今でも忘れることができません。本当に基本的…

Aさんがブログを開いた

今年の2月に僕はAさんという一人のビジネスマンとの出会いについて書いた。■逃走の先(2007年2月12日)そのAさん、本名金城さんが、その名も「SimpleA」という会社を立ち上げ、はてなにブログも開設した(id:simpleA)。僕が彼との出会いについて書かせていた…

村上ワールド

何か書こうと思ってブログを開いたら、hayakarさんからトラックバックが入っていた。それを読んだらいろいろな思いがめぐってきて、心がしんとしてしまった。初期村上読者への連帯感を感じる。■僕と鼠(『hayakarの日記』2007年11月7日)

セミナー「ユビキタスコンピューティングは生活を変えるか」

「記憶する住宅」で有名な美崎薫さんから講演のお知らせをもらいましたので、情報を共有させて頂きます。11月17日(土)にお茶の水女子大学で開催されるお茶大、ヒューマンインタフェース学会SIGUBI の共催イベントです。■ヒューマンインタフェース学会SIGUB…

村上文体をめぐる雑感

今朝も「車猫」に挨拶をした。『走ることについて語るときに僕の語ること』を読み始めて三日目。牛の散歩のような、鈍重なペースの読書を心安らかに楽しんでいる。それでも、最初の二章にそれぞれ一日ずつをかけ、錘を落とすようにして読んだが、昨日はすっ…

村上春樹に戻る

村上春樹の初期作品には、と僕がここで言うのは、主に“100パーセントの恋愛小説”『ノルウェイの森』が出る以前の作品群を指してそう呼びたいのだが、若さ故の心の過剰と無力感をすくいとって癒してくれる何かがあった。当時の読者である僕にとって村上春樹の…

『走ることについて語るときに僕の語ること』を読み始める

自動車の下で夜露をしのいでいるらしい野良の「車猫」に今日も通勤途上で出会った。かなり大きな図体のこの白黒猫は、道ばたに駐車している自家用車の下にいていつもバンパーの下あたりに丸い足が覗いている。だいたい白の大衆車の下にいるが、その車が出払…

オペラ嫌い

オペラが嫌いである。ニューヨークにいる間、秋冬の音楽シーズン中は毎週のようにオーケストラのコンサートに通ったが、メトロポリタン歌劇場には4シーズンでたったの3回しか足を踏み入れなかった。それまで歌劇場とまったく無縁だったわけではない。1980年…