2010-01-01から1年間の記事一覧

皆様よいお年を

冬型の気圧配置が強まり、厚い雲と雪の地域が多いようですが、横浜は幸運にも晴天の大晦日となりました。今朝の富士山の写真とともに、今年もこのブログをご覧いただいた皆様、ブログを通じて楽しい時間を過ごさせていただいた皆様に年末のご挨拶を申し上げ…

『復活』の狂気

ギルバート・キャプランというアメリカ人がいて、この人は“マーラーの『復活』だけを振る指揮者”として知られている。本業は出版ビジネスで成功をした実業家だが、以前読んだ話によれば、なんでも若い頃に希代の名指揮者、ストコフスキーの演奏をナマで聴い…

川口マーン惠美著『証言・フルトヴェングラーかカラヤンか』

川口マーン惠美という人が書いた『証言・フルトヴェングラーかカラヤンか』という本を読んだ。この本は、ドイツ在住の著者が、フルトヴェングラーとカラヤンの両方、あるいはカラヤンの指揮のもとで演奏をしたことがあるベルリン・フィルのOB11人を著者が200…

『復活』の余韻の日々

id:tsuyokさんが出演した横浜フィルハーモニーの『復活』は、聴いた者にしっかりと何かを残す演奏だったと思う。tsuyokさんは、こんなふうに自嘲気味な感想も書いているけれど、平均的なアマチュアの水準は大きく超えた演奏だったのは間違いない。 ■キミたち…

初書評!

原書を紹介していただき、その御礼に献本をさせていただいた坂東さんが『ブログ誕生』の書評を書いてくれた。書評一番乗り! 坂東さんは『ブログ誕生』とご自身の「ブログ再開」を重ねあわせて一文をしたためてくれた。理屈なしにうれしい。 ■献本御礼「ブロ…

第3のお客様

僕のブログには大きく分けると3つのグループのお客様がいるようだと、ある時から感じるようになった。一つははてなスターやコメント欄、「シュンポシオン」などのイベントを通じて知り合ったブログの仲間と僕が呼ぶ人たち。人にとって人とのつながりほどか…

横浜フィルハーモニー管弦楽団のマーラー『復活』

id:tsuyokさんがティンパニのトップで出演した横浜フィルハーモニー管弦楽団のマーラー交響曲第2番『復活』を聴いてきた。何度かコンサートもご一緒している下川さんとは、終演後に落ち合い、ビールとワインとでtsuyokさんと横浜フィルの演奏に乾杯をしてき…

明日はマーラーの『復活』を聴きに行く

明日はid:tsuyokさんの出演するアマオケ、横浜フィルハーモニー管弦楽団の演奏でマーラーの交響曲第2番『復活』を聴く。場所は横浜のみなとみらいホールで14時の開演。 ■横浜フィルハーモニー管弦楽団 アマチュアが『復活』を演奏するとどうなるのか、という…

集まり

先週末の「徒企画」は所用で行きそびれた。あとでツイッターやブログで知ったところによれば、あの人、この人、数多くのブログの仲間が参集したようで、慶賀の至りである。 ■12/4「Bar徒企画」(『Good Stuff』2010年12月8日) 別にブログの知り合いだけで集…

スダーン指揮東京交響楽団のブルックナー交響曲第8番

東京交響楽団は、かつて、そのむかしに一度だけ、おそらく秋山和慶の指揮でだったと思うが聴いたことがあり、しかし、聴いたことがありと書く以上の話題も思い当たらないほどに記憶に残らない音楽体験だったらしく、何を聴いて、どのような演奏だったのかま…

『ブログ誕生』 ブロガーが作ったブログの本

発端は板東慶太さん(id:keitabando)のメールだった。面白そうな本があるという。アメリカのジャーナリストが書いたノンフィクションで、ブログが米国で開発され、普及していく様子を描いた一冊らしい。すぐ取り寄せて読み始めた。前書きと第1章を読んだと…

横浜点描

APECの会合が始まる横浜の中心部は見事にお巡りさんだらけ。それも山梨県警だとか、岐阜県警だとか、他県の制服を着た助っ人の警官がいっぱい。うちの奥さんが横浜駅を通ったら、道を尋ねる観光客に、地図を片手の岐阜県警氏が四苦八苦していたそうな。いっ…

りんた店長

昨日の続き。夕闇に包まれた霜月の渋谷、温かい宣伝にひかれて、「徒企画」へと向かう。 入り口には「りんた店長」の文字と黄色い風船が。 午後6時過ぎ、一番乗りで入店。りんた店長と奥様が笑顔で迎えてくれた。 本日のメニュー。もちろん、狙いはおでん。 …

「Bar徒企画」へ行くぞ

昨年まで理系の学徒だったはずのりんたろう博士は、一転大手企業のSI系部門に入社し、プロマネとして毎晩遅くまで多くの関係者と複雑な事案を相手に格闘している。毎晩帰宅が夜中の重労働となれば、30過ぎはまだまだ若いといったって、当然疲れは溜まる。溜…

尾瀬

尾瀬を夫婦で歩いてきた。連休の喧騒を外し、休みをとって月曜日から3日間。尾瀬に出かけるのは2回目だが、1回目は白馬岳とほぼ同じ24年か25年ほど前のことで、その時のことは、これも白馬岳同様ほとんど記憶に残っていない。季節は春で、天気が悪く、遠くの…

マーラーの日

id:tsuyokさんからメールがあり、彼が参加しているオーケストラのコンサートにお誘いを頂いた。マーラーの交響曲第2番『復活』。プロでもそんなに容易には演奏できない大曲だ。アマオケがあの曲をやるのかとちょっと驚いた。12月のコンサートには、ぜひ、行…

『〈反〉知的独占』無料pdf版を御覧いただけます

以前、池田信夫さんがブログで紹介をしていた知的財産権に関する経済学書『Against Intellectual Monopoly』の邦訳書が私の勤め先から来月刊行されます。 ■知的独占に反対する(『池田信夫 blog(旧館)』2008年7月18日) 刊行に先立って最初の40ページをpdf…

赤染晶子著『乙女の密告』

先月号の文藝春秋は恒例の芥川賞受賞作掲載号だったが、今回の受賞作、赤染晶子著『乙女の密告』はたいへん興味深かった。選評で作品に対する評価がまっぷたつに割れ、積極的支持と積極的不支持が鮮明に別れたのである。作品は関西の外語女子大でドイツ語を…

だから外国に出る必要はないという話ではない

昨日、外国に出ることが外国語を習得するために必ずしも必要とは思わないという話題で遊んだけれど、言うまでもなく、外国に行くことの重要性は外国語を習得するという目的のためにあるわけではない。そんなことはどうでもよいことで、故郷を出ることによっ…

帰国子女がすべからく外国語の達人という訳ではない

勤め人をいったんやめてシンガポールで大学院生を始めたid:phoさんの英語に関するエントリーは、英語学習の勘所を上手に言い当てている。「外国に行くと、外国語に慣れることはできる。でも、上達するかどうかは別の話」とphoさんは言うのだが、まさにそのと…

世界一くさいシュンポシオン

id:segawabikiさんにお誘いを頂き、『世界一臭いを体験バーベキュー大会』に参戦。わざわざそのために出向いた人気のない公園で「世界一」を実体験し、笑い転げ、瀬川家の庭で開催されたバーベキューで、奥様やお嬢さんの手まで煩わせて、夜遅い時間までたら…

女の子が空から降ってくる世界で

少し以前に「女の子が空から降ってきた」をテーマにして創作を発表するというイベントがはてなのどこかで、誰かの発案で実施されたはずだ。あるブログを読んでいるときに、そのイベントに関するエントリーを目にし、好奇心がそよいだ。そこに進んで参加する…

写真の楽しみ

三上さんと下川さんが写真を仲立ちにして興味深いやりとりをなさっています。下川さんには私のエントリーにもリンクを貼っていただきましたので、「一緒におしゃべりしようよ」という呼びかけも含まれているかもしれないなとは思うのですが、私は、写真とい…

ミュンヘンのキャンプ場

30年前にミュンヘンのキャンプ場に泊まったのは、日本以外の国の土を初めて踏んだ最初の日のこと。フランクフルトに到着し、そこからすぐにドイツの国鉄に乗って南下、くたくたになって当初予定していたミュンヘンのキャンプ場に到着したはずだ。朦朧とした…

例えばテントを背負って欧州の街を歩いてみたり

20歳のときに初めて海外旅行をした。忘れもしない、1980年のことだ。バックパックを背負ってヨーロッパを40日間一人旅。頑張ってアルバイトで稼いだお小遣いで安売りの航空券を買い(パンナムの南回り便だった)、滞在費も出来る限り切り詰めて日数を確保す…

名和小太郎著『著作権2.0』

勤め先で一月ほど前に出した本で、とくに話題にもなっていないが、これはビジネス書としてすばらしい一冊。ITビジネスにかかわる多くの方にお勧めしたい。現在、国際的な著作権のあり方を基礎付けている国際条約であるベルヌ条約が、その制定当時に存在した…

自然は変わらないが、人の欲望はもっと変わらない

先日、白馬岳の帰りがけに蓮華温泉を訪れたら、蓮華温泉ロッジの廊下に、日本アルプスの紹介者にして日本に近代登山を導入した人物であるウォルター・ウェストンの写真と、彼がこの地を訪れたことを紹介する一文が掲げてあった。ウェストンは、19世紀後半の…

なんとか北アルプスに登れた理由

昨日、下川さんから「膝大丈夫?」とやさしくお声がけいただいたので、その話を少し。春に大山に登ったときに膝が痛くて、やはり山は無理かもしれないと思った。そもそも2年前に泊まりがけで丹沢主稜を歩いたときに、とりわけ下りで大いに難儀し、この体験以…

一眼レフだったら

白馬岳に登る際、一眼レフを携えての登山は諦めた。テントを加えたザックは16キロ強。かつて、20代の頃ならば、これしきの重さは「ほとんど空身」と思ったことだろう。実際、かつては20キロ以下の荷物で幕営山行などしたことはない。しかし、わたくしはもう2…

宮崎のおっちゃんの言うことはきらいじゃない

宮崎駿さんのことですけど。他人の受け売りですが、おっちゃんは、養老孟司さんとの対談で、「情報とかインターネットっていうのは、基本的に相手を操作しようとする願望じゃないかと思うんです。相手に自分の影響力を与えたいということなのではないか。」…