仕事ができる上司は

自分が「うざい親父」であり、「うざい上司」であるであろうことは論を待たないだろうなと、ときどき思う。「そんなんじゃ駄目だ」みたいな言い方を平気でしている。あとで、相手にとって見れば、駄目って言われてもどうしようもない、それこそそんな言い方では駄目だと気がつくのだ。言われる相手にしてみれば、じゃあ、どうやればいいか教えろよと言いたくなるだろう。そう考えると、自分は、ある種の典型的駄目親父、駄目上司ではないかと思えてくる。

先週、いくつかのスモールビジネスのオーナーであるAさんと雑談をする中で、彼が下の人に仕事をこんな風に伝授しているといった話を聞くことになり、内心感心しっぱなしだった。何に感心したのかというと、彼の話を聞いていると、彼自身が仕事の内容を見事に分節化しており、それらをひとつひとつ理解した上で相手を段階的に引っ張り上げている様子がまざまざと見えるようだったから。僕のように「それぐらい自分で考えろ」だけでは物事は進まないのだ。そうか、分かっていない人間を組織化して仕事ができる集団をつくるには、少なくともある段階までは、そうしたオペレーション上の丁寧さが必要なんだと何故だか妙に納得できたのだ。そこから先、うまくコツを身につけ自分自身でも分かるような成果が出てくれば、おそらく彼・彼女はモーチベーションもあがり、物事は動き出す。これまでコーチングのセミナーに参加させられたりして「褒めるのが大事です」みたいな話は何度か聞いたり読んだりしてきたが、ちゃんとした成果を上げるためにはどこか画竜点睛を欠くような話だと感じていた。僕が感心したAさんは、僕よりも10歳以上年下だが、どこでそんな知恵を得たのだろうか。