2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋深まる土地

『三上のブログ』で毎日三上さんが更新してくださる札幌の散歩道の様子を楽しみに見ている。その三上さんが藻岩山の写真だけを取り上げて毎日Flickrで紹介する試みを始められた。http://www.flickr.com/photos/elmikamino/ 三上さんの発見をさまざまに伝えて…

一流の経営

ハーバード・ビジネス・レビューの11月号は「一流の経営」がテーマ。特集の最初ではGEのケースが論じされている。 彼(GEの会長ジェフリー・イメルト)が掲げた新しい目標とは、内部成長(M&Aに頼らない成長)を維持することである。しかも、世界のGDP成長率…

お化け

僕自身はお化けの存在をまじめに取り合うつもりはないのだが、お化けをまじめに考える人たちがいることをちゃかすつもりはない。自分自身が、いつそういうものを信じる気持ちにならないとも限らないとも思っている。僕がこれまで知己を得た人の中に幽霊とつ…

ポール・オースター『鍵のかかった部屋』

ポール・オースターの語る物語の不気味さは、ふと灰色の空を見つめていて、今の自分を忘れかけてしまうような、心の真空地帯を縁をめぐるような危うさ、不安の感情を誘発するところにある。この人がどうしてこういう物語を語ろうとするのか、僕はまだよく分…

港まで写真を撮りに

朝6時半、港まで写真を撮りに出て、しばし逍遙。昨日の夕刻関東南岸を走りすぎた晩秋の台風によって破壊されたビニール傘を嫌というほど目にする。無惨というか、壊れた傘を平気で道ばたに捨てて歩く御仁がこれほど多いのかと、そのことに日本の現在の断片を…

マチエール

今日のmmpoloさんのエントリーがとても面白い。その最後は次の一節で締めくくられている。 画家であり美術評論家の門田秀雄さんは平山郁夫について、彼のマチエールは特別だ、輝いている、それが人々を惹きつける大きな魅力なのだと教えてくれた。 (晩年の…

社内メールの敬称

お勤めの皆さんは、社内でメールを送り合うとき、文面の最初に書くはずの宛名にどんな敬称をお付けになっているのでしょうか。あるいは、社外にビジネスメールを送るときどんな書き出しをしているのでしょうか。何通ものメールを書きながら、いつも気になっ…

『A Wild Haruki Chase 世界は村上春樹をどう読むか』

村上春樹に関する個人的な感想を書いたら、さすが春樹さんだけのことはあるなと思ったのだが、数人の知人から反応があった。その反応が「賛成」「不賛成」の両方に分かれていたのが面白い。僕は「ノルウェイの森」以降、だんだん村上さんについていけなくな…

高校野球、松坂力投、夫人休日返上指令

高校野球に明け暮れる息子は、最近はテレビで見るプロのすごさを痛感し始めたようだ。先日も、日本のプロ野球の放送でアナウンサーが「サードゴロです」と気のない声で実況するのを掴まえて、思わずこんなことを口にしていた。「プロはサードに飛んだらそこ…

ニコンD40の画質について

ニコンD40、D40Xをキーワードで検索して訪れて頂く方が毎日何人もいらっしゃいます。これまで批判的に聞こえることも書いていますので、ちょっとだけ責任も感じている次第です。そこで論より証拠で、D40の実力を調べている方には私の写真ブログも参考情報と…

開高健の墓参り

日曜日の朝、北鎌倉の円覚寺を散歩してきた。そのために行ったわけではなかったのだが、敬愛する作家、開高健の墓所が円覚寺の中にあることを思い出し、初めて訪ねてみた。 日曜朝8時半の円覚寺は、雲一つなくすっきりと晴れ渡っていた。 開高の墓があるのは…

人知を越えたもの

正直言うと、アートの手段として写真は絵画に比べて一段劣るのではないかと、なんとなくそんな風に信じてきた。それがここ数日、そうではないのではないかと反駁する声が自分の中から聞こえ始め、いまその声を率直に聞き始めている。きっかけはEmmausさんの…

ポール・ホーケン著『ビジネスを育てる』

いわゆるビジネス書として出版されている類の書籍で、楽しみの読書の際に手に取る気になるものはほとんどない。少し極端な言い方ではあるが、ドラッカーの著作はその例外ではないかと思っている。そもそも、ドラッカーの文明批評的な色彩を持つ著作をビジネ…

我々が履いている下駄の高さは

沢尻エリカ、亀田親子と、立て続けに有名人バッシングが巻き起こっています。沢尻も亀田の親父も自分のやったことがそこまで世間を騒がすとはつゆ思わなかったんだろうな、とテレビやWebを見ていて思いますね。自分たちの世の中との接し方が平均的な他者…

通勤の朝

ここ数日、いつもより少しだけ早めに家を出ている。日の出が遅くなるこの時期になると朝の6時はしんとしていて、会社も、学校も、競争も、引きこもりも、傷害事件も、原油高も、テロリズムも、みな昨晩見た夢に過ぎないのではないかと、すれ違う散歩の犬を眺…

小磯良平

先週、神戸に行ったときに地元企業の方と雑談を交わす中で小磯良平が神戸の人で、その個人美術館がポートアイランドにあると教えられた。小磯はその方の高校の先輩にあたるという。それを聞いて、ぜひということはなかったものの、時間があればちょっと覗き…

上岡敏之の遅いブルックナー

先日、ヴッパータール交響楽団の鑑賞記をアップして以来、そのときの指揮者である上岡敏之さんの名前で検索してお越しになる方が後を絶たない。そんなに人気のある人だったんだと認識を新たにした。 このコンサートのチケットを譲ってくれた人から「癖がある…

写真の奥の深さ

写真を撮って「こんなきれいな風景が撮れた」と自分自身がびっくりしてしまい、たわいもなく小さな感動を味わう。写真ブログをやり始めたおかげで毎週末写真を撮りに歩くようになり、そんな日々が続く。この感動は、今の自分の日常をしっかりと支えてくれて…

前? 次?

ブログを読んでいて、ページをめくろうとするときにはたと一瞬考えるんです。どっちをクリックしたらいいんだっけと。ブログにくっついている「前のページ」「次のページ」というリンクのサインのことです。「前」というのは、時間的に前、だから古いエント…

なぜ成果を上げる前に大金を要求するのか

メジャーリーグではプレイオフで2試合続けて結果を残せなかった松坂がとうとう非難の的になりそうな気配だ。ニューヨークに比べれば、ボストンのメディアは優しく、今まで大した批判がなかった方が不思議なぐらいだ。それにしても、松坂にせよ、両松井にせよ…

住まう・帰る

アメリカに駐在した4年3ヶ月の間に2回日本に仕事で帰った。最初は赴任1年後に一人で、二度目は2年目が過ぎた夏休みに家族5人で。 最初の日本出張で東京での仕事を終えてアメリカの我が家に戻ったときに、「あぁ、帰ってきた」と感じたことが、とても得難い体…

フラットな組織

ドラッカーを読んでいたら次のような一節にぶつかった。 今日にいたっては、インターネットやeメールのおかげで、コミュニケーション・コストはコストとさえいえないところまで下がった。 P.F.ドラッカー『ネクスト・ソサエティ』 僕が無知なだけかもしれな…

植田正治の作品に思う

Emmausさんの植田正治をめぐる文章に触発された。 かつて植田正治 http://www.japro.com/ueda/は写真についてこう言っている。 美しく、めずらしく、貴重な被写体であっても、対象の価値によりかかりすぎたものに心をうつ美しさや感銘を得ることはない。うち…

大企業にもさまざまな人がいる

昨日お会いした有名企業X社の部長であるCさんは、同社の社内システムの実質的な総元締めの役割を担うやり手のビジネスマンだが、お話を聞いて唸ってしまった。地元で自然保護を目的としたNPOを立ち上げ、週末はボランティア活動に精を出す。おまけに趣味の写…

ブログを書いていると文章が下手になる

一般論としてではなく、私のような書き方をしていると、という話ですが、ブログを始めて文章が荒れたなあと実感するところがあります。 その理由は、 ・書き殴る:短い時間にぱぱっと。その癖が付くと気持ちの中に「文章はじっくり推敲して書くもの」という…

オーソドックスな自己主張

上岡敏之指揮するヴッパタール交響楽団のコンサートを聴いた。10月10日東京オペラシティのタケミツホール。曲目はR.シュトラウス「ドン・ファン」、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番ハ長調、ベートーヴェンの交響曲第5番。この日の興味はヴッパータール交…

ニューヨークからのメール

ニューヨークに5月からお住まいのKさんから思いがけないメールを頂戴した。僕が先日ブログに書いたルツェルン祝祭管弦楽団のコンサートをお聴きになり、その感想を送ってくださったのだ。「ルツェルン ブーレーズ ロバートソン」で検索して『横浜逍遙亭』の…

松井稼頭央の活躍

コロラド・ロッキーズがレギュラーシーズン終盤にありえない勝率でまさかのプレイオフ進出を果たしたのは嬉しかった。松井稼頭央がロッキーズでプレイしているからだ。西武ライオンズで活躍していた当時の松井はホークス・ファンであるところの僕にとっては…

新日フィルの定期公演に行った

昨日は音楽鑑賞仲間のBさんからお譲りいただいた新日本フィルハーモニー交響楽団の定期公演を錦糸町のすみだトリフォニーホールで聴いた。午後3時過ぎに頂いたメールを読んで急遽ピンチヒッターを務めた次第だ。曲目は魔笛序曲、ベートーヴェンのピアノ協奏…

不平居士

会社勤めもけっこうな年月になってきて、いつの間にか上から数えた方が早いところまで来てしまった。今の会社は来週入社満6年を迎える。 そんな歳になってきたからだろうか、最近どうも目に付くのが会社の悪口を言う若いやつ。お前もそうだっただろうと言わ…