野良猫

ウェブ時代をゆく』についてはもう少し書きたいことがある。ただ、これから先はもう一度テキストにあたって少し考えをまとめないと、誤読の恐れなきにしもあらずなので、続きは後日にしたい。あせらずゆっくりと。『ウェブ時代をゆく』に書かれているメッセージとそれに付帯する情報の量はてんこ盛り状態だから、けっこう理解するのはたいへんだ。15分で読める人からみれば頭が悪いだけかもしれないけど。いや、そう皮肉っぽい言い方はやめなければならない。昨日は批判的に書いたが、『池田信夫blog』の記述は重要なポイントに触れているとも思う。15分ではさすがに間違えも起こすかもしれないが、ちゃんとそれなりにためにはなっている。

というわけで今日は、猫さんの写真でお茶を濁すことにした。先日から書いている野良の「車猫」だ。この猫、いつもこの赤の車か、その隣に駐車してある白っぽい色の車の下で一晩を過ごしており、朝、通勤時に横を通ると、真ん丸くうずくまっているのが見える。あちらから声をかけてくれる日もあるが、日一日と朝が遅くなってきたので、こいつと挨拶する6時前はまだ暗い。お互いの顔がよく見えなくなってきた。

この日は、まだ寝ていたのか、声をかけたら、ご覧のように目を細めうーんと伸びをしながら出てきて「おっちゃん、おはよう」と返事をした。これから寒くなる。野良は大変だと思うが、お向かいのお宅でご飯をもらっているようだし、助けてくれる人がかなりいるのかもしれない。先週末この近くを通ったら、初老のおばさんと並んで歩いていた。おやおやあいつだと思った。おばさんは「あなた、御名前はなんていうの?」などと声をかけ、猫は隣で「にゃお」などと返事をしながら道を行く。なかなかいい光景だった。野良猫のくせに人に対してとても愛想がいいのは、生きるための立派な武器になっている。彼には会社勤めも、ウェブ進化も、なんにもない。本能と嗜好の赴くまま、毎日「好き」を貫いている。