2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミシュランガイドに関連してもうひと言

昨日から疲れ気味。仕事のことで大あわてだったり、がくっとなったり、心が休まらない。誰かに大きな声で愚痴を聞いてもらいたい気分だ。そんなときに帰宅して、『三上のブログ』(id:elmikamino)で書体の話を読んだり、『Emmaus’』(id:Emmaus)で紹介されてい…

東京グルメ

アメリカに住まっている友人・知人が日本に来るとほとんど例外なく「食べ物がおいしい」と喜ぶのは、自分が数年だけだが彼の地にいた時を思い出しても、とても自然な感情に思える。日本で生まれた者にとって日本の食事はいちばん。僕は日本に帰ってくると、…

元田久治展

二十代の前半、一週間ベルリンで過ごした思い出がある。ある日の午後、現地に住まっていた当時の友人−−いまはもう音信が途絶えてしまったが−−に操車場の跡地に連れて行かれた。当時、第二次大戦から三十数年を経てベルリンにはそんな場所がまだ残っていた。…

もいちど「Look4wieck.com」

週末に紹介したクラシック検索エンジンの「Look4wieck.com」ですが、申し訳ないことにエントリー後何時間がリンク切れにしてしまいました。sergejoさん、ごめんなさい。お詫びの意味で再度掲載させていただきます。画面右上の赤いボタンを押すと検索画面に移…

ラ・ヴォーチェ・オルフィカ『スペイン音楽の500年』へのお誘い

29日、今週の金曜日ですが、目白の東京カテドラル聖マリア大聖堂で開催されるコンサートにEmmausさんからお誘いをいただきました。■ラ・ヴォーチェ・オルフィカ 第23回公演(『Emmaus’』(2008年2月20日)まったく知識がないスペイン音楽への好奇心と、そ…

良い読者

大江健三郎がノーベル文学賞を受賞後、数年間筆をとらなかった小説の執筆を再開した以降の作品をまとめて読む読書を続けている。『取り替え子(チェンジリング)』を最初に読んだときには、自分自身が精神的な穴ぼこに中に落ち込んでいて、ちゃんとした読書…

シャイーのブルックナー交響曲第8番を録音で聴く

シャイーとコンセルトヘボウ管弦楽団のコンビによるブルックナー交響曲第8番のディスクを聴いた。ペンギンのガイドでとても評価が高い演奏なので、一度聴いてみたいと以前から思っていた録音だ。2003/4年版で英国人の評者はこんな風に褒めている。 シャイー…

Look4Wieck.com

このサイトを始めてしばらくの間、場がその種の人たちで閉鎖的になるのが嫌だという意識もあり、クラシック音楽の話題はなるべく避けてきた。じわじわと書き始めたときも、なるべく「クラシック音楽なんか興味ない」人にも読んでもらえるような話題選びや書…

土田ヒロミのニッポン

東京都写真美術館で開催されていた『土田ヒロミのニッポン』を展覧会最終日に滑り込みで見ることができた。土田ヒロミさんは、40年前から社会性の強い写真を撮ってきた方で、この展覧会では、新作を含めてその全貌を、かいつまんでということではあるにせよ…

simpleAの金城さんに誘われて

昨夕はsimpleAの金城さん(id:simpleA)にお誘いいただいて、楽しいおしゃべりの会に参加してきた。そもそもはサンフランシスコで2002年に立ち上がった集まりが、金城さんの帰国によって、海を越えて東京でも開催されるようになったというのがもっともはしょ…

メールセキュリティソリューションセミナー

Webを徘徊していたら、@IT等が主催する「メールセキュリティソリューションセミナー」(2月28日・青山ダイヤモンドホール)で、友人の小向太郎さんが基調講演をするのを見つけました。この分野にご関心のある方はぜひお越しになってみては如何でしょうか…

近藤はてな社長のインタビュー記事を読んで

近藤淳也さんのインタビュー記事が「ITmedia」に掲載されている。とても分かりやすく、内容的にはとてもすがすがしく、朝からよい記事を読んだといい気分になった。ビジネスは、というよりももっと敷衍して、何事かの目的を達成するにあたっての人の…

バスケットボールの夢

このところの運動不足には自分ながらひどいものがあると、少々体への悪影響が心配になるほどである。通勤の際に、行き帰り20分ずつを歩くだけ。仕事の際に外出する際に地下鉄を乗り降りし、ビルとビルの間を歩くだけ。体と心がつながっているからだろう、ど…

大江健三郎が政治・社会的発言をしなければ

大江健三郎の『さようなら、私の本よ!』(2005年)を読んでいると、『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』(2007年)の複線とも言える、大江さんの変化が現れている。たいした話ではなくて、こういう台詞を大江さんは作中人物から長江古義人(=作…

再度、がんばれ、はてな

はてなの近藤社長がシリコンバレーから帰ってくることになった。1年半前に近藤さんが渡米を発表したときに、一ユーザーとして、また日本に生きる一市民として、近藤さんの決断に男気を感じ、そこを出発点とした感想を「はてなのアメリカ進出によせて」と題し…

『さようなら、私の本よ!』

NHK交響楽団の定期公演が始まる30分前のNHKホールの椅子に座って、大江健三郎の『さようなら、私の本よ!』を読んでいた。僕の左隣に席がある年配のご夫婦が僕の前を横切ろうと「すみません」と声をかけてきたので、腰を浮かしお二人のために狭いホールの座…

千年の昔から

勢川びきさんの四コマ漫画は、見た目は軽いが突きつけてくるものはいつも深い。なぜかと言えば、テーマのある場所にまっすぐに突き進む作者の問題意識が深いところに根ざしているからだと思う。それに勢川さんは自分の気持ちを表出することにためらいがない…

心が痛い

仕事の関係で、自分ではよかれと思ってやったことが、段取りを間違えてしまったために他人を傷つけることになってしまった。非は百パーセント自分自身にあるので、ひたすら心が痛い。今日のブログは、開店休業である。

『ポケモン』のおにぎりとドーナツ

昨日書いたmmpoloさんのエントリーを媒介にさせていただいた翻訳に関するモノローグは書いていて楽しかった。今日も、その続きを少し。mmpoloさんの引用によれば、亀山訳の『カラマーゾフの兄弟』を論じる際に沼野充義さんは、ロシアの食い物をなんと訳出す…

翻訳と演奏、あるいは解釈について思うこと

『mmpoloの日記』に東欧文学の専門家である沼野充義さんの翻訳論が紹介されている。ご自身翻訳家でもある沼野さんによる卓越した翻訳小論であることは認めるのにやぶさかではないが、沼野さんの論旨の明快さに圧倒されつつも、最後の部分は「説得されないな…

チョン・ミョンフンとN響のブルックナー交響曲第7番

昨日はチョン・ミョンフン指揮のNHK交響楽団でブルックナーの交響曲第7番を聴いてきた(2月10日・NHKホール)。先月のブロムシュテットとの第4番が素晴らしかったのが生々しく記憶に残っていたN響だが、この日の演奏は指揮者が変わってかなり雰囲気の違うも…

港北区民交響楽団 第41回定期演奏会を聴く

日本一技量が高いオーケストラを聴いた翌日に友人が長く参画しているアマオケを聴いた訳だが、前日にN響を聴くのはやはりやめておけばよかったかなあと開演前に心配していたことが、予想もしなかったことだが、杞憂に終わってしまった。すばらしい演奏会だっ…

NHKの『フルスイング』が面白い

NHKで土曜日夜に放映されている土曜ドラマ『フルスイング』がとても面白い。 作品は高畠導宏さんという実在の人物をモデルにしている。プロ野球7球団で打撃コーチを務め名コーチとしてならした後に、58歳の年齢で福岡の高校に教師として赴任し、膵臓ガンで亡…

大江ワールドと「気持ちいいアメリカ」

今日も「気持ちいいアメリカ」の続きになる。圧倒されつつ、うんざりされつつと、いつもながら複雑な気分の読書を余儀なくされる大江健三郎。いま読んでいるのは2005年9月発行の『さようなら、私の本よ!』であるが、この本に登場するのは最近の大江本におな…

気持ちいいアメリカ

勢川びきさんの『気持ちいいアメリカ』を読んで、思わずお星様をつけるマウスの一押しに力がこもってしまったような気がする。ここ一ヶ月、社内で数字作りに励むと同時に、営業に歩き回る日々を東京で続けていると、ときどきアメリカやドイツのことや、そこ…

犬は喜び庭駆けまわり

週末の関東の雪は、久しぶりに風景を真っ白にして、心を癒し、同時にすってんころりんと転倒のおまけまで付けてくれた。昨日も、積もりはしなかったが都心は雪が降ったり止んだりの空模様で、外出のさなかに空を見上げて白い破片が地上に無理矢理に引き寄せ…

人形町の新年会

17年勤めた職場で、最後の時期に一緒に仕事をした人たち5人と和気藹々の新年会。同席したうちTさんは、20歳になる長男が生まれたての赤ん坊だった頃を知っている20年以上前からのつきあいだし、他の皆さんも仕事で同じ釜の飯を食った仲間ばかりで、こういう…

雪の日とその翌日

雪の日曜日、仕事や受験の方はたいへんだったろう。 目を覚まして外が真っ白なのを見てとったら、急に雪の舞岡公園を見たくなり、久しぶりにカメラを持って降りしきる牡丹雪の中出かけてきた。まだ買ってしばらくしか経っていないのにパソコンが壊れてしまい…

大江作品と邪悪な凡庸さ

実に久しぶりに大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』を読んだ。内容もほとんど覚えていなかったから初めて読んだに等しい再読だった。昭和33年、二十代前半の大江が描いた終戦間際の寒村に疎開して村人から阻害される子供たちの物語である。後年の大江を知ってい…

すれちがうあなたとは会話できない

僕が生まれて初めて大きな企業に勤めた結果得た功徳があるとすれば、それは僕なりに世間と折り合いをつけることができたことではないかと思う。まこと大きな企業にはさまざまな人々がうごめいており、閉じられた場所に出現した世間そのものだった。もし、良…