雪の日とその翌日

雪の日曜日、仕事や受験の方はたいへんだったろう。
目を覚まして外が真っ白なのを見てとったら、急に雪の舞岡公園を見たくなり、久しぶりにカメラを持って降りしきる牡丹雪の中出かけてきた。まだ買ってしばらくしか経っていないのにパソコンが壊れてしまいしばらく戻ってこないので、ブログにアップするのは先になるが、カメラが湿った雪に濡れるのを気にしながら、手袋をはずした手のひらを真っ赤にして何枚か撮ってきた。よい気分転換になった。

とって返してブログを書き、朝食。その後は洗い物と掃除機をかけた後に、不本意ながら会社の仕事。個人的に頼まれているボランティア仕事が進まないのがとても気にかかっているのだが、これはやる気になるまでやらない方がよい類の仕事。中途半端に仕上げるのはまずいという意味だ。そう心に決めて、しかしやはり刺さったとげを気にするように日々を過ごしている。

会社の仕事は久しぶりに英語の絡むものだ。前の職場は国内の仕事しかなかったので、英語を使うのは実に6年ぶり。この間、ときどきインターネットで英語を読むぐらいのことしかしていないし、最近はそれもさぼっているので、簡単な言い回し、基本的な単語すら容易に出てこないのに気がつく。そもそも低い語学能力しかないのにこれでは困る。実務にさしつかえる。そう思いつつ、1時間、2時間と机に座っていると、普段使わないことばと戯れるのが楽しくなってくる。この感覚の転換は、自分の意思とは別のところで起こるようで、その啓示のような感覚がまた楽しい。

夜は大江健三郎の『さようなら、私の本よ!』を読み始める。このブログをお読みいただいている方にとって、低い声で文句をたれるような大江さんの本への感想を何度も読まされるのははなはだ不本意だろうなと思いつつ、しばらくぶりの大江作品への傾倒の時を楽しんでいる。

ところで、今朝、我が家から駅へ下る急な坂道でもんどりうって転倒した。出かける前から「あそこは危ないだろうな、通れるかな」と雪の凍結を気にしていた箇所なのだが、まだ暗い朝の道は雪も氷もないように一瞬僕の目に映った。生来のおっちょこちょいなので、「なんだ、大丈夫だ」と足を一歩踏み出したのだが、その瞬間にずるっときた。後頭部をコンクリートにぶつけるのと転んだことを理解したのと、どちらが早かっただろう。気がつけば、路面はスケートリンク状態で、僕の体は転んだままずるずると下に向かってずりさがっていく始末である。
小さなこぶを作っただけですんだのは幸いだった。