犬は喜び庭駆けまわり

週末の関東の雪は、久しぶりに風景を真っ白にして、心を癒し、同時にすってんころりんと転倒のおまけまで付けてくれた。昨日も、積もりはしなかったが都心は雪が降ったり止んだりの空模様で、外出のさなかに空を見上げて白い破片が地上に無理矢理に引き寄せられる様子に心洗われる思いがした。

すってんころりんと言えば、人生山あり谷ありで、ときには派手に転ぶこともあるが、道が終わりに近づく頃にはよいこともたくさんあったねと感想を吐きたいものだ。そのためにはどうあればよいのか。やはり派手に転ぶ日はさておき、平々凡々とした日常が楽しくなければいけない、それこそが楽しみでなければならない、と最近はよく思う。若い頃には人それぞれにそれぞれの身の丈を超えるような野心があって、それに振り回されることの方が多いような気がするが、なんだか次第に野心もプライドもそこそこになってきて、それが心地よいと感じ始めたのは中年の知恵だろうか。このまま、もっともっと野心もプライドも小さくなったら、もっともっと生きるのは楽になるのだろうか。

それはともかくとして、雪の日には勢川さんちのチョコさんのように庭を駆けまわり、子供がいれば一緒に雪だるまを作る楽しみを優先したい。仕事が終わった後の、一杯のワインに心がたゆたう時間を大切にしたい。愚痴を言い合うばかりではなく。そして、遊ぶときにはお子様の心を携えて出かけたい!