テレビ

二郎さんの番組

昨晩のNHK特集で「すきやばし次郎」の小野二郎さんの番組をやっているのを観た。「寿司の神様」であるところの二郎さんと、「天ぷらの神様」と呼ばれているという天ぷら職人の早乙女さんとの友情と職人魂を描いた番組だった。91歳になって、その分野の頂点に…

佐渡裕さんがベルリン・フィルデビューで履いた下駄

昨年5月、佐渡裕さんがベルリン・フィルハーモニーの定期公演にデビューした模様をNHKがドキュメンタリー番組に仕立てて放送した。最初に放送されたのは6月。それとは別に演奏会それ自体の放送もあり、僕はたまたまそのどちらも観ることができた。そのドキュ…

開高健の釣りものでは『フィッシュ・オン』が最高という話

秋口にNHKのBS放送で「シリーズ釣って、食べて、生きた! 作家開高健の世界」と銘打たれたノンフィクション番組をやっていた。開高健の釣行に同行した人々を取材し、当時の映像を織り込みながらかつての大兄を振り返るという趣旨の番組だった。この冒頭で、…

『時をかける少女』、ゴルトベルク変奏曲など

一昨日、帰宅してテレビのスイッチをひねったら細田守監督の劇場用アニメ『時をかける少女』を放映していた。まだ、始まってすぐの時間帯だった。じっと見たり、画面を離れて皿洗いをしたり。少し経った頃に大学生の娘が帰ってきて、テレビの画面に目をやる…

見事に耄碌した吉本隆明を見て思う

NHK教育放送で放映された「吉本隆明 語る」を見ました。83歳になった吉本さんが昨夏に行った講演の様子をつづった1時間半の番組です。車椅子にTシャツ姿で演台にのぼった吉本さんは見事にしょぼくれたおじいさんになっていました。何度か雑誌のグラビアや書…

吉本隆明がテレビに

皆様今年もよろしくお願いします。さきほど福岡より戻りました。新幹線の自由席は1時間少々並んで座りましたが、博多から東京まで立ったまま戻る人もたくさんいて、途中の駅からはさらにどんどん混んでくる。正月に新幹線を使ったことがない身としては、聞き…

陳腐で荒い物語

昨晩、テレビをつけたら、ちょうどNHKの『プロフェッショナル』で北京オリンピックの競泳における二人のメダリスト、北島康介と中村礼子のコーチをしている平井さんという人の話をしていた。如何に世界の頂点を極めたか、如何にメダリストを生んだか、オリン…

雨の日曜日に野見山暁治の番組を見る

昨日は雨。絶え間ない雨脚の変化を眺めながら、一日屋内にうずくまっていた。夜、mmpoloさんのエントリーで教えていただいたNHK教育テレビの『新日曜美術館』で、野見山暁治さんのステンドグラス制作の様子を記録した映像を見る。東京の新しい地下鉄、副都心…

Emmausさんのひと言がバッハ演奏と宮大工の話を結んだ

昨日のエントリーに対してEmmausさんから頂いた「信頼」という言葉がどうやら核心的にキーワードらしい。音楽の演奏に限らず、あらゆる創造的行為、ビジネスを含めたあらゆる創造は他者への信頼がその根底になければ立ちゆかない。Emmausさんはアンジェラ・…

肉体は魂を裏切るけれど

ご承知の通り、先週、大江健三郎著『沖縄ノート』の集団自決に関する記述をめぐる訴訟のニュースが大きく報道された。その際に、久しぶりに大江健三郎がテレビカメラの前で話をするのを目にしたのだが、急に老人になってしまった大江さんに出会ってびっくり…

NHKの『フルスイング』が面白い

NHKで土曜日夜に放映されている土曜ドラマ『フルスイング』がとても面白い。 作品は高畠導宏さんという実在の人物をモデルにしている。プロ野球7球団で打撃コーチを務め名コーチとしてならした後に、58歳の年齢で福岡の高校に教師として赴任し、膵臓ガンで亡…

落ちた場所で根を生やす

先週のNHK総合テレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」にミシュランの三つ星に輝いたすし店、「すきやばし次郎」の小野次郎さんが出演していた。言い回しはちゃんと覚えていないが、7歳から奉公に出て、それ以来仕事をし続けているという82歳の次郎さん…

頂に立つことは問題ではない

昨日、靴職人の山口さんの番組を観て感銘を受けたことを文章にしたが、書いた直後から筆が滑ったなという思いにとらわれている。山口さんの仕事や人柄を伝える番組を観て「へえ」と思ったことは嘘ではないのだけれど、ただ、だからと言ってこのブログでトピ…

継続するということ

トゥーサンと開高健の遅筆の話を書いたら、偶然に同じような話に出くわした。 この数日、ドイツ人の指揮者でフルトヴェングラーと親交のあったシェンツラーという人が書いた『フルトヴェングラーの生涯』を読んでいたのだが、そこに作曲家のモーリス・ラヴェ…