内と外

はっぴー・はろうぃーん

ハロウィーンの話でブログを書いたのはいつのことだったか。そう思って検索をかけてみたら、2006年の秋だった。もう9年も前のことになる。■Happy Halloween!(2006年11月22日)9年経ったら、というか、このトレンドは3、4年前には顕著になってきたようだが、…

雑感

焼酎で酔っぱらいの時間。ここしばらく、誰もが知っている大阪の政治家の言動が不愉快で仕方がない。AがBかと色分けを余儀なくされる状況に置かれれば、私は政治的には保守的ですと宣うのにやぶさかではない人間だが、とは言え、そんなふうに口にしてしまう…

だまし絵みたいな話

たった数日の滞在でインドは広い国だなと感じ入ったのは、言葉だな。言葉です。現地で教わったところでは22の言語が国の言葉として規定されているということらしく、大まかに言っても州によって言葉が違うらしい。らしいとしか言いようがないのは、そう聞い…

冷静で民度の高い日本人

地震の際に利己的な行動に走ることなく整然と行動した日本人に対し、世界のあちこちで驚きと賛嘆の声が湧き上がったという話を震災直後にしばしば聞きました。私自身、ニューヨーク・タイムズやCNNのコラムや記事でそうした論調を直接に読みましたし、政…

だから外国に出る必要はないという話ではない

昨日、外国に出ることが外国語を習得するために必ずしも必要とは思わないという話題で遊んだけれど、言うまでもなく、外国に行くことの重要性は外国語を習得するという目的のためにあるわけではない。そんなことはどうでもよいことで、故郷を出ることによっ…

帰国子女がすべからく外国語の達人という訳ではない

勤め人をいったんやめてシンガポールで大学院生を始めたid:phoさんの英語に関するエントリーは、英語学習の勘所を上手に言い当てている。「外国に行くと、外国語に慣れることはできる。でも、上達するかどうかは別の話」とphoさんは言うのだが、まさにそのと…

ミュンヘンのキャンプ場

30年前にミュンヘンのキャンプ場に泊まったのは、日本以外の国の土を初めて踏んだ最初の日のこと。フランクフルトに到着し、そこからすぐにドイツの国鉄に乗って南下、くたくたになって当初予定していたミュンヘンのキャンプ場に到着したはずだ。朦朧とした…

例えばテントを背負って欧州の街を歩いてみたり

20歳のときに初めて海外旅行をした。忘れもしない、1980年のことだ。バックパックを背負ってヨーロッパを40日間一人旅。頑張ってアルバイトで稼いだお小遣いで安売りの航空券を買い(パンナムの南回り便だった)、滞在費も出来る限り切り詰めて日数を確保す…

小さいけれど、はっきりとした心の高揚

『technophobia』のphoさんがこれまで携わってきた特許関係の仕事をいったん辞めて、キャリアを深めるためにシンガポールの大学院に行ったり、勢川さんが、ミシン型発電機の延長線上でインドに行ったり、このところ立て続けにこの界隈で海外体験にまつわる話…

ワールドカップ(その2)

日本対パラグアイ戦のテレビ視聴率が関東では 60%だったということだから、この界隈でももっとブログのネタになってよさそうなワールドカップだが、実際にはそうはなっていないのはなかなか興味深い。これだけメディアが報道に明け暮れれば、いまさらブログ…

本当に行ってくれるとは思わなかった

ちょっと感激。phoさんの行動力にも、懐かしい風景にも。■ニューヨーク郊外からの通勤列車の旅(『technophobia』2010年5月27日)メトロノース鉄道は、3つの線がマンハッタンの中心であるグランドセントラル駅から北に向かって放射状に伸ばしており、phoさ…

そんなわけないだろ、と言いたくなる

■ナックル・プリンセス、米でも人気 本拠地でサイン会これを読めば「ナックル姫はアメリカでも注目されている」と勘違いをする日本の読者は出てくる。そのような作りの記事である。しかし、田舎町のおじさん、おばさんが40人集まりましたというだけのイベン…

記号消費の時代が終わりつつあるのか

いま、佐々木俊尚さんの電子書籍『電子書籍の衝撃』をiPhoneの小さな画面で読んでいる。5章立ての作品の真ん中辺りに相当する第3章にさしかかっているところだが、そこで縷々説明をされているのが、記号消費の時代が終わり、マスメディアが機能しなくなり、…

NHKのニュース番組を観ていたら

NHKの夜9時のニュース番組を観ていたら、突然以前の勤め先で一緒に働いたS君が出てきて、日本の家電メーカーの3Dテレビへの取り組みについてコメントをしました。彼とは、私がニューヨークに駐在しているときに東京からアメリカに出張に来た彼と共通の上司…

日本語の可能性と日本語の壁

昨日、日本語でブログを書いていることを表現するのに“内弁慶”というタイトルを選んだが、適切な表現ではなかったかもしれないと思った。自分の外側にある外界に内と外という区別があって、その“内”に向けて表現をしている、その“内”は日本語が通じる範囲、…

内弁慶

先日、久しぶりに箱根に行った。真冬の富士の雪はいつもながら眼に滲みたが、それ以上にアジア各国から来た観光客の大群を前に、世界の経済力の変化をこの目で見る思いがしたことの方が正直なところ印象が深かったかもしれない。以前、十数年前に同じ大涌谷…

松井を送るニューヨークタイムズの読者たち

松井秀喜がヤンキースを離れるという一報がニューヨークタイムズ電子版に掲載されてから、短時間に多くの読者メッセージがその記事のコメント欄に寄せられている。松井に対し、どれも驚くほど好意的で、それどころか、その多くが思い入れたっぷりに感謝と惜…

HASHIさんのトークショーにて

今日は写真家のHASHIさんが国立西洋美術館で開催した、写真評論家の飯沢耕太郎さんとのトークショーにお邪魔してきた。年配から若い方までHASHIさんのファンは実に広がりがある。日本の写真界の現状、日本の社会の現状に対するHASHIさんの歯がゆい思いが見え…

翻訳者の技

翻訳者は上手に事を運ぶ。ある言語と別の言語とをつなぐ際に、受け取る側の社会や文化のありように照らし、読者に受け入れられる言葉を探していく。 とくに話し言葉には、その傾向が強く表れるように思う。 昨日取り上げた『46年目の光』にこんな表現があっ…

それをいっちゃあおしめえよ

昨日、編集者のKさんと企画の話をしていて、渡辺千賀さんの最近のブログ・エントリーを読んだかと訊かれた。僕は知らなかった。 http://www.chikawatanabe.com:80/blog/2009/04/future_of_japan.html 海外で働くことについては、はてなの近藤さんがシリコン…

タングルウッド音楽祭

先ほど気がついたのだけれど、あと一月少々でアメリカ駐在を終えて横浜に戻ってからちょうど10年が経つ。僕にとっては「Only Yesterday」であるはずなのだが、しかし、そこに10年というレッテルが貼られると、とたんに時の容赦のない力が動き出すような気が…

外国で感じたごく小さな不愉快の思い出

ニューヨークに駐在を始めたとき、ドイツ語は少ししゃべれるが、英語はあんまり、というのが僕の英語力だった。こういうことを書くと、それだけでいけすかない野郎だと感じる人が世の中にたくさんいるかもしれないが、このブログ界隈だと、その種の心配はあ…

ひとこと

日本の社会って、なぜ人に自信を与え、成熟を促すのとは反対のメッセージが幅を利かせるんでしょうね。会社だとかの組織を覆う雰囲気は、「生意気いうな」「文句を言うな」「はいつくばれ」じゃないですか。そうじゃない組織はとびきりいい組織だと思います…

Wikipediaの「カラヤン」情報に見る日本の情報空間

あまり頻繁に使うわけでもないWikipediaだが、ブログで取り上げるに当たり、基礎情報を調べようと「カラヤン」を検索してみた。インターネットにまつわる日本語と英語との情報ギャップについては梅田望夫さんが繰り返し注意を喚起しているところだが、カラヤ…

大統領就任式

オバマ大統領の就任式と打とうとしたら、パソコンは「小浜大統領」と返してきたので笑っちゃいましたが、それはさておき。その大統領就任式についてはマスメディアのみならず、日本のブログでもあちこちで話題になっています。アメリカのニュース番組では世…

素晴らしきアメリカ

物事には明るい面と暗い面があり、社会にも同様によい面と悪い面がある。iPhoneを使い始めたおかげで、いまさら、いまごろ、ではあるけれどiPod機能を活用し始め、おかげでアメリカのニュース番組をpodcastingで見ることができるようになった。 NBCが朝のニ…

内と外

このブログには「内と外」というカテゴリーがある。最近はあまりにその手の話が多いので、このカテゴリーを付けるのをためらうというか、とりたててカテゴリーとして置いておかなくてもいいと思う気持ちの方が強い。それほどに僕自身の生きていく上でのテー…

よくあることではあるけれど

昨日、梅田さんのエントリーに対して品のないコメントがたくさん寄せられていると憤慨する文章を書いたら、fuzzyさん(id:fuzzy2)から次のようなコメントを頂いた。 何事かと思って梅田さんの日記のはてブを見ましたが、はてブではよくあるふつうの出来事にす…

なべて世はこともなし

梅田さんのエントリーのコメント欄、はてなブックマークが普通ではないことに一昨日やっと気がついた。僕自身は「これって同僚のK君が絶対に読んだ方が良いと力説していた『新潮』のやつだな。梅田さんは今回はとくに力が入っているな」と数日前に☆をつけた…

オバマ勝利宣言をニューヨーク・タイムズで読む

人並みにではあるが、アメリカ大統領選挙の行方には興味があり、注目してきた。“ブラッドリー効果”云々というネガティブ要因も取りざたはされてきたが、オバマが勝つだろうという予測は「高気圧がやってくるので明日は晴れるでしょう」と気象予報士がにこや…