2006-01-01から1年間の記事一覧

再び『hayakarの日記』

更新されるたびに見ては唸る『hayakarの日記』。同じサラリーマンとして身につまされる粋なフレーズ。思わず頬がゆるむ、卓越したデッサン力に裏打ちされた鉛筆画。つまらない連載漫画の代わりにどこかの新聞が掲載してくれないものか。http://d.hatena.ne.j…

Happy Halloween!

昨日のエントリーにコメントを残してくれたBeatLogさんは、ある日本の伝統産業に対してマーケティング関係のサービスを提供する会社の経営者。昨日お会いした際に、話は勢い、「和」や伝統、文化と実業、四季など日本が本来持っているよきもの、よきことをめ…

冬が来る

朝起きると、ほぼ一日降り続いた昨日の雨は綺麗に上がり、雨の前までは青々とした山肌を見せていた富士山が、まだ明け切らない大気の中、書き割り絵のような真っ白姿で鈍い光を静かに放っているを目にする。刷毛ではいたような、明と暗、二種類の空とこの世…

日本百名山

高校時代山岳部で、20代までは暇を見つけては山に出かけていたのですが、子供が出来てからはめっきり。最近は年に1,2度近くの丹沢山塊に日帰りで出かけるだけの元“山屋”ですが、ときどき無性に“ああ、山に登りたい”と突発的な欲望が頭をもたげることがあり…

小林秀雄の断定

吉田秀和さんは優しい声と柔らかな文章の人なのに、厳しいことをはっきりとお書きになる。『マネの肖像』を再読していたら、こんなフレーズにぶつかった。 「空は青い。」といっても、その「青」とはどんな青であるか。青にもほとんど無限の変種があるのであ…

美崎薫さんとモーツァルトの近さ

三上さんが出してきた「美崎さん=疾走するかなしみ=モーツァルト」説はなかなか含蓄があります。美崎さんはメランコリーの人じゃないと思うので、その限りでは当たらないと思うのですが、未開の領域を「疾走」する点ではなるほどそのとおりかもしれません…

Blog Life is Timing

茂木健一郎さんの『クオリア日記』に茂木さんと梅田さんの対談の話が書いてある。 インターネットが切り開いた、 誰でも知を得られるという状況の向こうに 見えているもの。 それは、今までだったらunderdog(負け犬) だったものたちにとっての逆襲のチャン…

これは便利、SmartCalenderをメモ帳にする

美崎薫さんの「SmartCalender」を使い始めました。用途はパソコン上のメモ帳として。これは便利。はじめてパソコンでアイデアをメモるのに実用的な道具を手に入れた感があります。 SmartCalenderは、モードレスであることを目標に作られた多機能なファイル管…

疾走するかなしみ

昨日のエントリーに対して三上さんからコメントを頂いた際に「中山さん、小林秀雄の「モーツァルト」の「疾走する悲しみ」覚えてますか?」と言われてびっくりしました。理由は二つあります。一つは今日、今年初めてのプロの音楽家のコンサートに行ったので…

秋晴れの日曜日

北日本は荒れ模様の天気らしいが、昨日の雨が空気を綺麗に洗って横浜の我が家からは一日中見事な富士山と丹沢を眺めることができる。冬がやってきた。 HASHIこと写真家の橋村奉臣さんにお会いし、雑談を重ねる中で新しいHASHIさんの試みに協力を依頼され、喜…

村上春樹と大江健三郎

昨日話題にした庄司薫にとって僕は遅れてきた読者だったが、村上春樹は彼とともに同時代の空気を吸った初期の読者の一人だった。Wikipediaによると「群像」に彼の処女作『風の歌を聴け』が発表されたのが、1979年6月。『赤頭巾ちゃん気をつけて』からちょう…

揃えられていたサンダルと登山靴

庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1969年)の冒頭に「エンペドクレスのサンダル」の話が出てくる。どんな文脈かというと、こんな感じ。高校三年生の主人公、薫くんにガールフレンドの由美ちゃんから電話がかかってくる。由美ちゃんは薫くんにこんなとって…

美崎さんが来てくれた

校了間際の著書を複数かかえているらしく、メールも書けないと嘆いていた美崎さんが昨日のエントリーにコメントを残してくれました。さらにその端緒を作ってくれたfuzzyさんも。皆さんには、ぜひ昨日のコメント欄を御覧頂きたいので、今日は写真を貼っておし…

美崎さんの実践の普遍的な部分

一緒に『記憶する住宅』を訪問したfuzzyさんが、美崎薫さんのSmartWrite、SmartCalenderに関して「Smart」をキーワードにとても興味深い論を立てています。fuzzyさんいわく、 「smart」とはあたかも知能を持っているかのように、自律していること――他の人や…

映画『カポーティ』を観る

8月9日に「『トルーマン・カポーティ』を読むか、トルーマン・カポーティを読むか 」と題するエントリーを書いた際には、『カポーティ』という映画が封切られることすら知らなかった。それほど、僕は映画にはうとく思い入れのない人間である。映画は見れば楽…