1時間のために2、3ヶ月

梅田さん(id:umedamochio)と講演後のパーティの席で雑談をした際におっしゃったひと言にどーんと圧倒された。
「この講演のために、ここ2、3ヶ月の間すごく勉強しましたよ」というのである。

たった1時間の仕事に、あの梅田さんが2,3ヶ月の時間をかける! もちろん、その間、そのことだけにかかりきりになっていた訳ではないだろう。しかし、相当のエネルギーを注いだことは、ご本人が語る強い調子に明らかだった。

たぶん、そこまでの時間や労力をかけなくても、梅田さんの知的ストックと企画力からすれば、講演資料の8割方、あるいは9割方はあっという間にできあがっていたに違いない。僕はそう思う。もしかしたら、もっとかもしれない。実際にそれがどの程度なのかはご本人以外知るよしもないが、仮にそれが残りの1割だっとして、その1割のために、龍の目に最後の絵の具を落とすために、膨大な時間をかけて情報を漁り、講演の構成を練り、資料を再構築する。梅田さんの本や講演が人に訴えかけるのには十分な理由があることが、ご本人の口からぽろっと出たひと言を通じてまた納得できた思いがした。

梅田さんは一つの典型だが、周囲を改めて見まわしててよい仕事をしている人を思い起こすと、梅田さんとどこかで共通する偏執狂的な情熱を必ず発散させている。これは自分自身を前に進めるための不可欠な条件、人に感動を与えるための遺伝子のようなもので、それがある人と交流する楽しさは計り知れない。

このブログの仲間にはそんな遺伝子を持っている人たちが何人もいる。いまはそのことが確信できているので、毎日のおしゃべりがやめられないのである。