3週間が経った

新しい職場に来て3週間が経った。6年前に転職した際には、けっきょくその与えられた場所に馴染むまでに3年から4年はかかった記憶がある。その3年、4年というのは必ずしも何かが起こったり、出来たりするために要した正確な数字というのではなく、むしろ、「ここも自分の生きる場所かな」とそれなりに自然と納得していたのが、それぐらいの時を経た頃だったという程度の意味である。「石の上にも三年」とはよく言ったものだと思う、と今だからお気軽に書くことができるが、その間はなかなか辛かった。

正直言うと、まだまだ前の職場の方が居心地がいい状態が続いている。なんだかよその場所で、よそいきの心で、びくびくしながら働いている気分がする。こんなことを白状するのは少々格好悪いが、思うところを思うままに記しておこうと思う。

それでも、おそらく今度は3年はかからないだろう。自分の心の現在とは別に、そんな風に第三者を観察するようにして考えることができるのは、経験のなせる技。自分の心すら自分で必ずしも上手にコントロールできるわけではないことに一度気がつくと、それなりに覚悟というか、良い意味での諦めというか、そういうものが芽生えてくる。