転職

転職して今の会社にやとわれてからもうすぐ五年が経つ。四つ目の組織だ。自分ではよくもったなと思う。故あって四人で集団就職のようにやってきて、そのうちの二人はもういない。


社内で出会った人たちのなかで「あなたも転職組ですか」とお互いを紹介しあった人たちの一人から年末に「辞めることになりました」というメールをもらった。先週久しぶりにあったAさんからはおもむろに別の会社の名刺を差し出されて、「いつ転職されたんですか」と驚くことになった。僕よりもだいぶ後に外資系の会社から入社したはずの人だ。昨日には、部署が違い仕事の内容はよく知らない同士ながら、赤提灯で酒を酌み交わしたことがあり、やはりお互い転職組ということで妙にうまの合う部分があったBさんが辞めたと聞く。皆僕よりは数段会社に期待をするものがあったと見えた人たちだ。


せっかく採った人がいなくなるのは会社にとっては損失だろう。個人にとっても数年で会社を移るのは楽しくてそうしているわけではないはずだ。もっとも、なかにはその人の性分として一所にとどまっていられない質の人がいるのは間違いないけれど。


一頃に比べて景気がよくなっているのはどうやら間違いないようだなとは思う。