僕にとっての“ブログの年"の最後に勢川びきさんに会った

梅田望夫さんの紹介で勢川びきさん(id:segawabiki)にお目にかかることができた。午後6時半に横浜駅の本屋で待ち合わせ、居酒屋に移って酒を酌み交わしながら尽きぬ話題をやりとりし、大いに語り、笑い合った。勢川さんはおよそ僕が想像していたとおりの人で、個人の名前で表には出てこないけれど、大企業の参謀として実質的に会社の首根っこを掴んでいらっしゃる様子がありあり。こういう人っているんだよね、どこの会社にも。2時間半後、楽しい酔い加減で店を出た9時にはもう十年来の知己のような気分になっており、ガシッと握手をして次の再会を誓い合った。ブログの不思議にあらためて感じ入った瞬間だったし、思えば、僕にとっての“ブログの年"の最後を飾るにふさわしいイベントになった。

昨年夏に実質的なスタートを切ったこの『横浜逍遙亭』だが、この1年半の間、様々な出会いに恵まれ、僕の人生をそれまで思いもよらなかった方向へと導いてきた。この夏、梅田さんが「昨日ふと思い立って「小林秀雄」を読んで心動かされていたところ、これも偶然か必然かわからぬけれど、横浜逍遙亭の最新エントリーが「吉田秀和さんの番組を見る」だった。」という文章で、「吉田秀和さんの番組を見る」というエントリーを紹介してくれたことがあったが、この「偶然か必然かわからぬけれど」という言葉、その後もブログでの様々な出会いのことを考えるたびに決まって頭の片隅に明滅するのである。茂木健一郎さんの語る「偶有性」という言葉とも響き合う。たった一歩を踏み出すことによって、自分にもセレンディップの王子様のようなチャンスがめぐってくるブログの不思議。昨年の夏、よもや1年後に自分にとって見ず知らずの土地である北海道にアイヌの聖地を訪ねることになるとは、あるいは何人もの印象深い方々と知己を結ぶことになろうとは夢想だにしなかった。

と、ここまで書いたところでトラックバックに気がついた。なんとオレ漫画になっちまったよ。

■ブログ次元(『勢川びきのX記:4コマブログ』2007年12月30日)

来年はブログを通じてどんな出会いが、どんな再会があるのだろう。今からわくわくしてくる。

皆様、どうかよい年をお迎え下さい。