ビジネス2.0が選ぶ『今重要な50人』

昨日の炎天下の陸上見物で体は赤く火照り、ばて気味。今日は料理の素材を買い出しにスーパーに出向いた以外はおとなしく一日家にこもり、本を読んだり、CDを聴いたり。トレヴァー・ピノックの「ブランデンブルク協奏曲」を久しぶりに引っ張り出してきてかけたら、とてもよかった。暑い中で風通しのよくすっきりした演奏は心の納涼になる。

米国のビジネス系Webメディアの「ビジネス2.0」が『今重要な50人』という特集記事を掲載している。米国の産業メディアが見た米国人の視点による産業界の重要人物集である。

50人のうち、トップ10を抜き出すと次の通り。

1.あなた(クリエーターとしてのコンシューマ)
2.ラリー・ページとセルゲイ・ブリン(グーグル創始者
3.ポール・ジェイコブス(クアルコムCEO)
4.ルパート・マードック(ニューズ・コープCEO)
5.スティーブ・ジョブスアップルコンピュータCEO)
6.スーザン・デズモンド=ヘルマン(ジェネティック 開発総責任者)
7.台頭する中堅国家群(中国、ロシア、インド、ブラジル、その他の国家)
8.張富士夫トヨタ会長)
9.新たな石油の暴君たち(サウド・サウジアラビア国王、アフマディーネジャード・イラン大統領ら)
10.レイ・オジーマイクロソフト チーフ・テクニカル・オフィサー)

50人を通覧すると、さすがに「今」を反映して数々の有名IT系企業のトップが挙げられている。アメリカ人の読者を想定したアメリカの媒体の特集だからということもあるが、ほとんどが米国人で占められており、日本人としてランクインしているのはトヨタの張さんだけだ。米国を中心とした世界の中で日本の影響力というのはそんなものなのだろう。ただ、8位で選ばれているのはお見事というしかない。

しかし、張さんのトヨタが凄いのは、日本代表という意味合いよりも、オールドエコノミーに属する世界の巨大企業のトップがほとんどいない中でただ1社選ばれている点である。日本で同じことをやったら、トヨタだのキャノンだのという昔ながらの名前がたくさん出てくるのではないかと思われる。裏返してみると、新しい産業が時代とともに勃興するアメリカの迫力は強調しすぎることはない。

リストのトップが「あなた」なのはレトリックとしても素敵だが、第2位のグーグルをはじめとしてリストアップされたあまたのIT新興企業を支えるプロシューマの意義に注目を喚起するのは、レトリック以上の明確な主張がある。

“お客様は神様です”と永らく言われ続けてきた。しかし、本当にそうだったわけでは決していない。ところが今や、事業者は顧客をそんな風に扱う以外選択肢はなくなってしまっているのだ。あなた方、つまり、数百万の人々の集合的な英知としてのネットワークされたあなた方は、継続的に新しい形態のコンテンツを創造し、また行き渡らせ、役に立つもの、重要なもの、楽しいものを指名して、それら以外を拒否する。あなた方は、これらをアマゾンやフリッカー、You TubeのようなWebサイトを通じ、SMSを使ったアンケートを通じ、また自らアップする何百万ものblogを通じて行う。それらのあらゆるケースにおいて、あなたは、アグリゲートされ、インタラクティブかつ自己組織化された自動接待型聴衆(auto-entertaining audience)のメンバーとして、そうした行為の欠くべからざる要素となっているのだ。(以下略)


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