☆で遊ぶぞ

一昨日、自分のブログを開いたら見慣れない☆がタイトルの横っちょについてるではないか。なんじゃこりゃと眉間にしわを寄せながらマウスをあてるとハンドルネームらしきものが吹き出しで現れた。いつも読みに来ていただくrairakku6さんやfuzzy2さんの名前がある。梅田望夫さんの名前もある。コメントは頂いたことはおそらくないけれどもアクセスログを見ているとよく御名前を拝見するsugi2000さんの名前もある。hataboh_dayoさんには盛大に数多くの☆をつけてもらっている。あらためてなんじゃこりゃと思い、はてなダイアリーのトップページに行ってみたら、即座にその正体は知れ、同時にはてな村は喧々囂々のありさまであることが分かる。

http://s.hatena.ne.jp/


お星様ははてなの導入した新サービス「はてなスター」だった。はてなブックマークを頼りにはてな利用者の評判をいくつか見て歩いたが、大きな声を上げている人は賛成よりも反対が多い。理由はいくつかあるようだが、ごく大雑把に要約すると、「目的に関する説明が不足しており、使い方が分からない」「視覚的に邪魔」「はてなブックマークと機能的に重複する感が強い」「☆が消せない。そのような利用者に利用を強いる強権的な供給サイドの姿勢が気にくわない」といったところだろうか。


僕はこのサービス、とても面白いと思った。実はまだ自分自身はほとんど使っていないのだが、反対の声を上げている人たちが指摘している「なんかよくわからん」という部分が存在している点がことのほか気に入った。また、「☆を消せないのはおかしい」という意見に対してはてなサイドが「間違ってたくさん付けてしまったケースも含めて当分消さない方向で行きたい」と表明した点にも感心した。もっとも今、提供者が発信している「はてなスター日記」を見たらこのステートメントはなくなってしまったようだ。代わりに1週間試行して任意で消せるようにするかどうか決めると書いてあった。ブーイングの大きさに提供サイドがたじろいでいるようにも見える。

http://www.hatena.ne.jp/


はてなという会社はちとばかり日本ばなれした変な会社だが、このサービスの導入のスタイルはそのイメージを裏切らないばかりか、変な度を研ぎ澄ました感がある。元電電公社の流れを引くNTT系のgooはおろか、Niftyだって、Biglobeだって、こんな確信犯的に「使ってみたらー」的な不親切きわまりないサービス提供は絶対にしないだろう。


多くのなてなユーザーが「極めて正しい日本の消費者」と化して、「ユーザーを無視した供給者の勝手な思いこみによるサービスはけしからん」と怒るのはちょっと意外だった。でも、あらためてそういうことかと思う部分も強い。使う者と使われる者、管理職と非管理職、店員と客という社会的役割が発生すると、そこに上と下を見るのが日本の文化。はてなのユーザーは客であり、はてなは店員なんだから、店員の分際で「お客様は神様です」と土下座しないとは何と生意気な野郎だ、俺は神様だ、お前は打ち首だ、こんな店で俺は金輪際買い物をしないぞ、となる。この反応はganz日本的だ。


そんな日本文化に対する、これははてなという会社からの意見広告みたいな部分が大いに含まれていると見える。だから、このお星様に対して遊び心を忘れずに気軽に使ってみることがはてなとのコミュニケーションの仕方としてはやはり正しいと僕は思う。声を荒げたり、仲間内で愚痴をこぼしあうような反応をする必要がどこにあるのだろう。


というわけで、僕としてはこのサービスを喜んで使ってみることにしたい。使いにくかったり面白くなければ止めればよいだけのはなしだ。個人的には、これまではてなブックマークを使っていて、この記事自体に「agree!」の声を上げたいとか、「面白かった!」と言いたい、でも大仰にブックマースするのも気が引けるといったケースが多くあり、その気持ちにこの☆はより馴染みそうな気がする。仕事に絡む記事をせっせとブックマークしている梅田さんの使い方もそんな風に見える。四つ星システムにしてお気に入り程度に応じて付ける星の数をコントロールするなんて遊びも面白いかも。はてな以外のブログサービスをご活用の方でも導入できるらしいので、ご興味のある方はこちらをご参照下さい。

http://s.hatena.ne.jp/guide


近藤社長シリコンバレーに渡り、アメリカのよい面をサービスに持ち込みはじめたはてなに賛同の一票、じゃなかった☆を四つ入れたい。そう言えば、同時に英語サービスをはじめたというアナウンスもあった。ついに日本を出たはてな、おめでとう。