電子書籍

電子書籍の本格的な産業化に関して、さまざまな思惑や感情論が噴出しつつあるように見える。私はこの分野がビジネスとして勃興し、経済的な不合理が改善され、国民の福利が昂進されるひとつのきっかけになればよいと純粋に願っている。

ただ、電子書籍端末がほんとうに紙の本に取って代わるような付加価値を備えたものなのかという肝心な一点について、まったくもって実感をもてない。iPadは新聞や雑誌を読むのには向くだろうが、200ページ以上のコンテンツをそいつを介して人が読むようになるかは未知数である。Kindleなどの電子インク型端末は「読書好きかつIT好き」の人たちには歓迎されるだろうが、その母集団って、いったいどんだけの規模?と思ってしまう。

狭義の書籍に関しては、単なる空騒ぎじゃないだろうか。