私は編集者ではない

あるブログで「自身が編集者であるtaknakayamaさんという人がこんなことを書いている」といった類の紹介をして頂いていた。僕のエントリーは編集の仕事にエールを送る内容だったので、つまり一人の編集者が編集という仕事を自ら養護していると読まれたのだった。

http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20090823/p1

件のエントリーは、僕が編集者ではないから書けたのであって、あとで読んでみて、自分の仕事をことさら持ちあげるような文章は書けないよな、とあらためて思った。紹介して頂いた先で「私は編集者ではありません」という言い訳のコメントを書こうかと迷ったが、それもたいして意味がなさそうなので思いとどまった。

それにしても、なぜその方は僕のことを編集者だとみなされたのだろう。出版社に勤めているとは書いているし、最近は自社で出した本の宣伝もさせて頂いているが、自分自身の仕事に関する情報はつまびらかにしていないはずなのに。

20年ほど前にある出版社に記者として採用が決まったときに、その採用担当から「君は編集のほうじゃない」といった趣旨のコメントをもらった覚えがある。今の職場に来てからというもの、そのことをたびたび思い出す。本当にそうだと思う。僕には編集の能力はまるでないし、正直なところ、根っこのところで自分には向いていないだろうと思うことがままある。なぜそうなのか、いまだに謎ではあるのだが、自分にとっての謎が、見る人が見れば、謎どころではない、まるで当たり前のことである場合が少なくないのはたいへん面白いことよ。人はそのようにして自分の周囲をぐるぐると周りながら生きていくようだ。