しんぷる先生の翻訳プロジェクトにはたまげた

金城さんとこの共同翻訳プロジェクトが終わって来週に東京目黒で打ち上げがある。

■MyOpenArchiveにアップしたので打ち上げ告知

金城さんのやることにはいつも驚かされるが、今回も例外ではなかった。ちゃんとした説明がないので、この人の動きは一見するとカオスに見えるけれど、裏ではちゃんとどこかで何かに直線的につながっている。そういうところが実に油断のならない。さらにつながっている先がけっこう大きい。けっこうどころじゃなくて、本当に大きい。現時点ではニッチにしか見えないけれど、将来を見越すとかなり重要な意味があるトピックを選んで俎上に乗せているところが憎い。

それにしても今回の翻訳プロジェクト、あんなにあっという間にたくさんの人が手を挙げるとは予想もできなかった。志願者が後から後から湧いて出て、「今回はもうわりふっちゃったのでごめんね」と金城さんが謝るシーンが見られるなんて、僕には想像もできない事態だった。しんぷるフェロモンはそんなに強いのか、みんな暇なのか、あるいは心に渇望を抱いてうずうずしているのか。さらには“みんなでやろうメンタリティ”がそこまで一般的になっているということか。たぶんそのどれでもあるんだろうが、そうした諸々をすくい取った金城さんのプロジェクトとブログは偉い。私にはあらためて目から鱗だったよ、ホント。

さらに言えば、今回、ぱっと手を挙げた人の中心が30代後半から40代というのが面白かった。この部分については自分自身の実感とぴったりとしているのだけれど、自己実現の何割かをブログに負っている人たち、ブログやネットに賭けている人たちの中心はその辺りで、ブログだとかネットというと若者をイメージするが、広がりの核にいるのは思いのほかおっさん、おばさんなんじゃないかということだ。ま、たまたまこの界隈にはその年齢層が多いだけなのかも知れないけれど、梅田さんが『ウェブ人間論』のなかで言っていたリアルで満足していない人がネットで自己実現を図っているという見立てを思い出しても、20代より30代のネットの上での元気の良さには十分な理由がある。40代、50代と年齢が上がると、今度はコンピュータ・リテラシーの壁が高くなるので、また密度は希薄になってしまうし。そんなこんなを考えると、30代後半から40代前半はこれからネットで皆をどんどん引っ張っていってもらう世代ということになるのかな。期待してるよ。