悪夢

僕は人が溢れる広いプールで遊んでいる。色とりどりの水着とビーチボールと歓声を上げる数多くの子供たちの姿が見える。ひと泳ぎしてプールサイドに上り水を滴らせていると、自分めがけて人の群れが殺到しはじめ、挙げ句の果てに数多くのマイクが目の前に突き出される。僕の仕事でしたことに大きな法令違反が含まれていたのだという。テレビニュースが取り上げるほどの問題を起こしてしまったのか。とはいえ、いったい自分が何をして、何が悪かったのかとっさに思い浮かばず、だのに如何に言い訳をするかを一生懸命考えようと悪戦苦闘し、その末に言葉を見つけられず絶句してしまう。

数日もしないうちに逮捕されてしまうかもしれない。そう思うと、いてもたってもいられない気持ちになるが、どうする術もない。逃げたとしても逃げ切れるわけもない。

どうしてこうなってしまったのか。何をしたのかよくわからないのに後悔をしている自分がいる。いつの間にか場面は、田舎の小さな一軒家に変転している。机に向かって仕事をしているのは僕がよく知っているIT分野のリサーチャーだ。彼はこれからもこのようにして、変化は乏しくても静かな生活を送っていくのだ。なんと羨ましい身分だろう。自分はこれから鉄格子の中へ向かうのだと思い「絶望」という言葉を思い浮かべる。

ここで薄明の中、目を覚ました。