「完敗」とは如何なる意味や

tsuyokさんは「ベートーヴェンに完敗」と書いているけれど、当日、パートごとにもらっていた拍手が一番大きかったのはホルンとティンパニじゃなかったかと思う。「完敗」とか「1%もわからない」などというフレーズが飛び出してきたのは、当日びっくりこいた聴衆の一人としてはびっくりの自乗で、tsuyokさんの理想の高さを表しているとは思うが、ありゃ1%もわからない人の演奏じゃないでしょう。


■ベートーヴェンは大きかった(『人生は長い暇つぶし』2011年11月8日)


驚いたといえば、以前tsuyokさんとご飯を食べた際に、30代前半のtsuyokさんの世代では「クラシック=ベートーヴェン」ではないという話を話を聞いて、そのときもかなり驚いた。僕らの世代から上のクラシック好きは、モーツァルトベートーヴェンがまずありき、という世界に例外なく住んでいるはずだったから。

「タタタタ」が高く低く、吠えるかと思えば囁くように、あるいは伸び縮みしながら全編を駆け抜ける奇跡の音楽が頭から離れない。