白日夢

日本国内に垂れ込めて何年になる?と考えた。最後にパスポートを使ってから11年が経っている。パスポート自体、とっくの昔に切れてしまった。会社の人間に頼まれて、英語のメールの文面を作っていたら、急に外国に行きたくなってきた。夢の中では、しばしば欧州の街に紛れ込んでいるのだけれど、夢の中に現れる街は、まるで芝居の書き割りのようで、まるで本物っぽくはない。まあ、夢だから。
でも、しらふの時間に思い出す外国の風景も、夢の続きのように現実味を失いつつある。もう少ししたら、仕事をしている最中に、働いている自分自身が身を置く空間にも現実味を感じられなくなるかもしれない。そこまでいけば、それはそれで面白い。ドアの向こうにアメリカやドイツの街が見える日常が待っているような気がするから。