何の変哲もない土曜日

仕事の疲れを癒すのは運動に限る。運動と呼ぶにははばかられる程度のことだけれど、久しぶりにカメラを持って舞岡公園を散歩した。雪の日に訪れて以来だが、数少ないものの梅が赤い花を咲かせ、鳥を追うアマチュア・カメラマンの数も増えて、都会のオアシスはとても春めいていた。日の暖かさがすでに冬ではない。パソコンが戻ってきたら、写真ブログに今日撮った風景も掲載しよう。

持病の薬をもらいに病院に足を向け、スーパーで買い物をして帰宅。今日は、男の子二人はそれぞれの運動部の練習で帰りは夜になる。家内と娘は仲良しの親戚のおじさんによばれて出かけてしまい、今日は誰もいない土曜日。ということはCDを大きい音で鳴らしても文句を言う輩が誰もいない日という意味である。レオンハルトチェンバロでバッハの平均律第1集をならしっぱなしにしながら昼ご飯づくり。シメジとマイタケ入りの和風スパゲティ。一人でスパゲティをつくっていると、村上春樹を思い出す。なんてことを考えながらクッキングをしていたら、麺の量を間違えてしまい、食べ盛りの若者が喜びそうな大盛りスパゲティになってしまった。久しぶりに食べた醤油味のスパゲティはおしかったけれど。

バッハの平均律、最近はロマンチックかつダイナミックなリヒテルの演奏でばかり聴いていたので、レオンハルト平均律は、まったく違う曲のように聞こえる。剛毅で、生真面目で、しかしアーティストの揺るがない意思が聞こえる演奏。これを大きめの音で鳴らすと、チェンバロの弦が弾かれるたびに心が引き締まる感じがする。

ところで、今朝ほど書いた「くたくた」には何人もの方から☆を頂戴してしまった。面白くも糞もない、愚痴のようなエントリーなのだから「面白かったよ」の☆ではない。きっと「がんばれ」という励ましのお声を頂戴したものにちがいない。ありがたいことである。皆様のご厚意には率直に感謝を申し上げたい。人間の心はやわで繊細だから、☆のひとつを見ただけで心に深く響くことだってあるのだ。


バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)