『魔笛』のことなど

先週、ケネス・ブラナー監督の『魔笛』を観てからというもの、『魔笛』の音楽が耳について離れない状態が続いている。18世紀の音楽が未だに現役であることの不思議。しかし、先週書いたときには触れなかったのだが、あの映画の演奏はいただけなかった。元気がよくてオペラの全体を見渡すと一本調子。『魔笛』がつまらなく常套のパターンがそれである。指揮はジェームズ・コンロン。数度ニューヨーク・フィル、ボストン響を振るのを聴いたが、小澤征爾モーツァルトを聴きたくないのと同様、コンロンのモーツァルトもあまり聴きたいとは思わない。


魔笛の録音と言えば、昔から旧ショルティ盤、ベーム盤が2枚看板だが、ミュンヘンのオペラの力量を見せつけるサヴァリッシュ盤、東独当時のドレスデン・シュターツ・カペレのニュアンス豊かなアンサンブルを聴かせるスウィトナー盤もいい。僕は以前、ウィーンでクルト・モルのザラストロを聴いてノックアウトされた経験があり、モルが歌うショルティ盤、サヴァリッシュ盤が好き。でもペーター・シュライヤーのタミーノも余人を以て代え難いというのは大袈裟だとしてもやはり一聴もので、彼が歌うのはサヴァリッシュ盤、スウィトナー盤。魔笛の録音はどれを取るか迷う。


今日は美崎薫さんにお誘いいただいて彼が発表者に名を連ねる「MOMOEY+」を聴きに行ってきます。彼の演題は「美崎薫+」だ。

http://rkmt.net/memoryplus/program.html