客あしらいは苦手

7月から職場での役回りが変わったのに、成り行き上前の部署から抱えてきた客仕事がごたごたし、本来の仕事にまだ本格的に入り込めない。組織の仲間にはひどく迷惑をかけており、肩身の狭い思いをしている。

久しぶりに営業めいたことからはじめてお客さんとの付き合いをする仕事をしたが、つくづく向いていないと思う。シンクタンクの研究員の時も、よくお客さんと喧嘩をした。今の仕事は知り合いがわざわざ声をかけてくれたという理由があり、また、それなりに歳も食って少しは自分をコントロールできるようになったこともあって、お客さんに面と向かって食ってかかったり、「そんなことはできない!」などと声を荒げたりすることはしない。せいぜい、「いやー、おっしゃることは分かるんですが、今週いっぱいでそこまでするのはちょっと難しいんですよ」などと腰をかがめながら抵抗をする程度。それができるのに十年、二十年とかかりましたというのも情けないが、事実なのでどうしようもない。

もし僕に営業的センスや根回しの実力があれば、芋づる式につながる人間関係をコントロールしながら、着地点に仕事を誘導するのは楽しいんだろうなと思う。勤め先にもそういう人はいる。僕が絶対にやりたくないタイプの仕事に目を輝かしながら取り組んで自信に満ちあふれている。「志向性」という言葉や、「好きでなければこの時代の仕事はとてもやっていけない」という梅田さんの現状認識が四六時中頭をかすめる毎日である。「とてもやっていけない」と思いながら仕事をしている人って、この国にどれぐらいいるんだろう。

昨晩遅くまで頑張った甲斐あって、今日は休日出勤を回避。午前中は歯医者さんに歯垢取りに出かける予定。