三上さんのエントリーへの返礼

本の機能的な優位性に言及してひどく僕を驚かせたのは『ウェブ人間論』。なんといっても書いたのがウェブ(=電子メディア)の総大将と目されていた人なので、僕はほんとうに驚いた。
審美的な側面では、やはり美崎さん。本を潰しては電子化にいそしむこの人は、ご自身にとって大切ないくつかの本を、特装をほどこして慈しんでいる。その行為が本の本質を指し示している。
倫理的な面に触れるならば、どうしても本が木からできていることに思いをめぐらさないわけにはいかない。我々が動物や植物を葬って肉体の糧にしているのと同様、精神は木を伐採して本とすることを要求している。しかし、これは過大な要求ではないのか。ワタクシたちは、あるいはワタクシは、悪に手を染めているのではないか。
そして、このタイミングで梅田さんが“ウェブブック”なるコンセプトを打ち出してきた。結構悩ましい。

■いざ北へ2008その21 わたしたちがいる場所(『三上のブログ』2008年7月20日)