藻岩山を下り、三上さんの運転するレガシーは羊蹄山麓を目指して峠越えにかかる。札幌の奥座敷、定山渓温泉の手前にある小さな温泉地、小金湯温泉にある桂の大木を見る。いくつもの幹が集まって大木を形成している。樹齢700年と言えば、この木が生まれたのは14世紀。鎌倉時代に和人が北海道南端に定住を進めるよりも前の頃の話だ。この木をめぐって三上さんが8月末に書いたエントリーはこちら。
■オカバルシ川、観音岩山、美しいカツラ(桂)の大樹(『三上のブログ』2007年8月29日)
温泉旅館解体の様子を写真に収める三上さんと桂の木。
桂の木の根本に鎮座するたくさんのお地蔵様。
定山渓温泉を抜けると道は次第につづら折りの気配を増し、周囲は広大な山となっていく。まず目指すのは海抜836メートルの中山峠。快晴だった空は、藻岩山の山頂ですでに様子が変わっていた。灰色の雲がどんどん増えていく。
途中、景色の良い場所で三上さんが車を止めてくれる。少し前まで札幌市内にいたはずなのに、数十分山道を走ると関東ではお目にかかれない広大な山岳風景が出現する。あちらの山の尾根までの空間が広いこと。
白樺が強い風のせいか、大きくかしいで立っていた。
雲はますます濃くなり始める。中山峠はついにガスの中。これから降りていく南西の大地の方向には大気の幕がおり、強い風が吹き付ける。札幌ではあっという間に山の世界に入り込むことができる。中山峠のレストハウスと三上さん。
中山峠を下り、羊蹄山の麓にある京極の湧水地を目指す。雲は晴れなかったが、羊蹄山と尻別岳という双子の山々の山腹が姿を現す。雄大。
初めて北海道に来てみて、やけに印象に残ったのが、この矢印の標識。夜間にはヘッドライトを反射し、中には自ら光るものもある。見通しの悪い吹雪の際には重宝するのではないかと思った。