雑感

焼酎で酔っぱらいの時間。ここしばらく、誰もが知っている大阪の政治家の言動が不愉快で仕方がない。AがBかと色分けを余儀なくされる状況に置かれれば、私は政治的には保守的ですと宣うのにやぶさかではない人間だが、とは言え、そんなふうに口にしてしまうと、あっという間に様々な誤解が降ってくるだろうということぐらいは分かるだけの分別はあると思っている。

そうした最低限の政治的分別を下敷きに申し上げると、マスコミの取り上げ方に歪があるだとか、本意は違うだとか言いながら、従軍慰安婦問題の扱われ方に関し、アメリカの政府やマスコミと米軍も風俗使いなさいみたいな切り口で議論が出来ると信じていたらしい市長さんは、あまりにナイーブすぎる。一度アメリカに住んでみるといい。彼の地で英語の下手なマイノリティの立場を体験してみるといい。

それをタテマエと呼ぶか、理想と呼ぶかは別として、そうした言論の存在の必要性と重みを感じた時間が、かつて自分にあったなと思う。少々遠くなりつつある時間だが、まだ忘れているわけではないその感覚に従うとすれば、市長さんは日本でしか通用しないご自身の権力の流通範囲をたいへん無邪気に過信したのだろうとしか思えない。単なる田舎者ということではないか。