はてなのアメリカ進出によせて

気温35度。炎熱燃える三ツ沢陸上競技場で子供の100m走見物。12秒20で自己記録を100分の3秒更新する。

陸上競技は過酷でとても純粋なスポーツだと最近感心することしきりである。毎回力一杯走ってコンマ数秒の自己記録更新を争う。結果が数字で突きつけられ、見苦しい自己弁護や美しい誤解の余地はどこにもないところが潔い。

今朝起きてWebを見たら「(株)はてなのアメリカ進出」が発表され、大きな話題になっていた。「はてな」ユーザーの僕もとても関心がある。まさに100m走のような慈悲のない勝負が待っているのだろうけれど、近藤さんにはぜひかの地でさらなる成功を収めてほしい。それによって勇気づけられる若者がたくさんいるはずだから。

それに多くの日本人が外にでることで、結果的にこの国がさらに外に開かれることになればすばらしいと思う。仲間内だけで通じる言説だけで盛り上がり他者を排除するサークル活動的カルチャーが少しずつでも崩れる契機になればどんなによいだろう。

ただ、こうしてスターが生まれる一方で、そこまで辿り着けない人たちの焦燥感、そうした競争からはじき出されてしまっている人たちの不満、憤懣はものすごく大きくなっているのではないかとも想像してしまう。最新の情報工学を基盤とする産業は必ずしも大きな雇用を生み出しておらず、もてる者、持たざる者の差異は確実に広がっている。それをマスメディアの報道が増幅し、平均的大衆はそうしたマスメディアの言説にナイーブに反応する。幸福感が隣の芝生を常に気にする心根と無縁ではないことを考えると、自分は不幸だと心中落ち込んだり、憤っている日本人はどんどん増えているのではないかと思う。それは海外志向をますます強め、若年層の凶悪犯罪の増加のような顕著な形となってこの国の住みにくさをますます加速させるのではないかと心配になる。杞憂であればよのだけれど。

昨春遊びに行った丹沢の「ロッヂとんがり」で郵便ポストに小鳥が卵を産んだ。こちらはメルヘンを地でいくような世界。
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