『1Q84』を読み終わる

とりあえず、『1Q84』を読み終わる。報道によると、上下巻あわせ、二週間足らずですでに100万部が売れたという。金曜日にBook2(下巻)を買おうと思ったら、我が家の最寄り駅にある本屋さんは欠品状態で、「申し訳ありませんが、『1Q84』は品切れです」と張り紙が出ていた。どうしようかと少し考えたが、けっきょく東海道線横浜駅まで引き返し、3軒目でやっと商品を手に入れた。

タイトルあたり数千部を売る商売をしている出版社に勤めはじめたいまの僕にとっては、一冊の本がこれほどまでに人々に求められるという事態が目の前で起こっているということが、そもそもうまくのみこめない。『1Q84』のなかで語られる、数々の非現実的なエピソードと同じぐらい、ありえないことに思えてしまう。『1Q84』が現実の世界に滲みだしてきているような気がする。今なら、UFOが隣町に墜落しましたというニュースを聞いても、平気で信じてしまうかもしれない。