昨夕は友人二人と電子メールで懇談を少々。
村上春樹読みのmさんとは『1Q84』をめぐって何度かメッセージが往復する。『1Q84』については、先日の津田沼でもhayakarさん(id:hayakar)さんと話題になった。ものの5分にも満たない、おそらく2、3分の言葉のやりとり。僕はほとんど相づちを打つだけで意味のあることは何も話さなかったんじゃないかと覚えているが、hayakarさんの語る言葉に不意打ちを食らいながら、ほとんど同じ瞬間にそのメッセージに納得するようだった。こういう聞き手の時間はとても楽しい。
村上春樹については何度か感想をブログで書いているが、自分に向かって呟くように書いたエントリーに思いがけない人が反応をしてくれたのは、いまだに新鮮な印象な出来事として響き続けている。もうかなり以前のことになるけれど、以下の二つは僕が書いた最初の村上春樹エントリー。その一つに美崎さんがコメントをくれた。
1年半ほど前に『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んだ際にも村上春樹のことを書いた。
このときにはhayakarさんがご自身の村上春樹体験を素敵なエントリーにしてくれた。
またそれに触発されて次のような文章を書いたりもした。
■村上春樹が僕に教えてくれたカジュアルな格好よさについて(2007年11月10日)
こうやって何人かの人とやりとりをするうちに『ノルウェイの森』でがっかりしてしまったハルキ読者、「やっぱ、村上春樹は3部作でしょう」とか「ハードボイルド・ワンダーランドでしょう」「初期短編でしょう」というハルキ読者は少なくないらしいと想像することになったのだが、その後、この界隈には「羊Love!」なお姫様も現れたりして、想像はほとんど確信に昇華しつつある。
■横浜フィルハーモニー管弦楽団定期公演&中華街(『cahier de l’amour』2009年5月6日)
で今度の『1Q84』だが、初期ファンであるhayakarさんも、昨日やりとりをしたmさんも、『1Q84』に対しては実に好意的なのである。僕もすでに書いたとおり、大いに満足した。“村上春樹の逆襲”である。美崎薫さんの感想も聞いてみたいところだ。
それにしても、ブログにせよ、twitterにせよ、衆人の中で発言するのに慣れてしまうと、逆に電子メールで閉じた情報交換をするのはとても濃密で刺激的に感じられる。こういう人の目を気にする文章には書けないことがあったり、逆に無駄なお化粧があったりと、窮屈さがある。そんなことを思うこともある。