ブルックナーの風景(7): ヴァイヒブルク小路3番地

これもインターネットの世の中になったおかげで、旅行が変わったという類の話です。

今回のウィーン旅行ではブルックナーをテーマにして色々と歩いてみたわけですが、そのためにあれこれとネットを検索して情報を仕入れました。その中で、ひとつよく分からない情報があったのです。ウィーンっ子の個人サイトだったと思うのですが、あるところにブルックナーの記念プレートがあると書いてある。ウィーンのどまんなか、ケルントナー通りの脇です。でも、そんなところにブルックナーは住んでいないし、いったいなんだろうと思いながら、その住所に出向いてみました。




住所の場所にあったのは小ぶりなホテルでした。でも、ブルックナーの銘板なんてない。もしかしたらガセネタだったかなと思いながら、ホテルを覗いてみると、ありました。これでした。お客さんの歴代著名人のリストが入口枠のガラスに掲げられていました。




モーツァルトクララ・シューマン、リスト、ロシアの作曲家のアントン・ルービンシテイン、ワーグナーと続いて、その下にブルックナーの名前がありました。そういう話だったんですね。訪れたのは1859年とあります。ブルックナーがヴェーリンガー通り41番地に住み始めたのが1867年ですので、リンツにいた当時、ウィーンに出てきた際に投宿したようです。
それにしても、「モーツァルト様が1767年にお泊まりになりました」って、どんだけ由緒正しいホテルなんだよと思いましたことよ。年表を紐解くと、日本では田沼意次の頃でした。