第3のお客様

僕のブログには大きく分けると3つのグループのお客様がいるようだと、ある時から感じるようになった。

一つははてなスターやコメント欄、「シュンポシオン」などのイベントを通じて知り合ったブログの仲間と僕が呼ぶ人たち。人にとって人とのつながりほどかけがえのないものはないとすれば、この人たちは僕にとって掛け値なしにかけがえのない存在である。

二つ目のグループは、ブログを始める以前からリアルの場で知己を得ている友人、知人。仕事の関係での知り合いもいるし、学生時代からの友人もいる。職場の先輩もいれば、思いも寄らない、「え、あの人が」と思うような方の名前を聴いたりもする。いったいどこで、このブログを知ったのと思うケースが少なくない。この人たちは、ほとんどブログの表面に姿を現すことはないのだが、プライベートな付き合いの場で、「読んでいるよ」という言葉をかけてくれると、嬉しくなったり、緊張されられたり。無意識に、これらの人々の中の誰かに語るように書く、ということがあるから人間は面白いものだと思う。

三つ目は、音楽好きの人たち。僕自身は、ブログやインターネットでクラシックの趣味の方との付き合いはしていないのだが、偏執狂的に演奏にこだわる熱心な音楽ファンの中には、ブログの存在なども熱心に狩猟している人は少なくないらしく、どうも音楽の話題を書くと読みに来る人が多いという傾向が、僕のブログには如実にある。検索エンジンを介してやってくる人も、もっとも多いのは音楽の話題で、ブルックナーだとか、ベームだとか、大公といった言葉でやってくる人の数は少なくない。昨日からは「横浜フィル 復活」のお客様で大賑わいである。僕自身がそれと意識していないのに、『横浜逍遙亭』は音楽ブログであったりするわけだが、これらのお客様の何割かは僕などとは比べものにならない量のコンサートに行き、鋭敏な耳を持っていたり、楽器を演奏したりといった人たちだろうと考えると、こんな場所であってもお気楽な感想を書き散らかすのがちょっと怖くなる。この第3カテゴリーのお客様は、僕にとっては怖くもあり、面白くもある存在だ。いっそのこと、音楽ブログの看板を掲げてみようかと思うこともあり、思ったとたんに、臆病な僕はまた怖くなったり。