村上春樹週間

一週間のあいだ、『1Q84』三昧。おかげで、いくつかの「ねばならない」仕事が後回しになってしまった。Mさん、ごめんなさい。
とにもかくにも、Book1に始まり、今度のbook3に至るまで、わくわくどきどきを重ながらページを繰る時間を過ごせたのは間違いない事実で、小説を読む醍醐味を思い出させてくれる作家が現在他に何人いるだろうという自問にあらためて村上春樹はすごいなあと賛嘆あるのみ。Nくん、今度のはおすすめだよ。まだ読んでなかったら。

でも、しかし、とも思う。すでにこのブログには一度ならず書いていることではあるが、村上春樹が出ればわくわくと胸躍った時代は僕にとっては『ダンス・ダンス・ダンス』で終わり、長い長い余韻の時間のなかにある。となると、ますますストーリーテリングの技術に磨きをかける村上さんの技に感じいりながら、「おもちろ!」とはしゃぎながら、そこで語られているらしい何らかのメッセージにぼんやりと近づき、と思うとたんに気がつくと離れ、結局のところ「おもちろ!」と馬鹿面をさらすしかないわたくし自身にとって本当に必要な物語はどこにあるのかと、我が眼差しはますます虚ろになる。