ニューヨークの通勤者が電子ブックを皆で開いている光景を想像する

phoさんのエントリーを読んで、日本においてもペーパーバック読みの人たちにはKindleを使うあからさまなメリットがあることが理解できました。すとんと腑に落ちた感じです。私自身はペーパーバックって、ただの一度も読んだことがないんです。まったく自分の想像の中に出てこなかった図柄をくっきりと提示されて、「なるほど」とうなずいてしまいました。


■kindleを買ったのはペーパーバックよりずっと良いと思ったから(『technophobia』2010年2月3日)


だとしたら、やはり日本じゃKindleはやらないかな、iPadはどうだろうとさらに考える私です。

私が電子ブックの需要拡大に関する話で驚いたのは、アマゾンの売り上げの10%以上がすでに電子ブックによるものになっているというアナウンスもさることながら、ニューヨークに電車で通勤する人たちがKindleソニーのReaderを使い出し、電車の中ではみんな電子ブックでニューヨークタイムズを読んでいるという話です。マスコミの記事だったか、どこかのブログで書かれていた話だったか忘れてしまいましたが、ショックを受けました。それが本当の話ならどえらいことだと思ったのです。

私は4年半、駐在の身でニューヨークの郊外からマンハッタンに電車通勤する生活をしましたが、Cityに通勤する勤め人は皆が判で押したようにニューヨーク・タイムズを読んでいます。なぜか私も同じようにしていました。あの光景がKindleに変わっているのを想像すると、新しもの好きで見栄っ張りなニューヨークのビジネスマンたちならそうかなと思う反面、いまだに誇張が過ぎるような気がして本当のところはどうなのだろうと思ってしまいます。

1割という数字がそうした風景をもたらすほど大きなものだとしたならば、日本でアマゾンの売り上げ1割が電子書籍になるまでにはけっこう時間がかかるだろうなと直感は告げます。kindleユーザーphoさんの合理的な説明はその感触を強めてくれました。まずはスタンド売りの日経新聞を買っているおじさんたちがiPadで新聞を読み始めるか。そこはちょっと興味あるな、自身を実験台にして試してみたいなと思ったりしているところです。エンドユーザーにとっての分かりやすいニーズという意味で見えるのは、いまのところその辺りぐらいじゃないでしょうか。