野球はメダルを取れなかったが

北京オリンピックの野球で日本がメダルを逃した。この話はせるげさん(id:sergejO)
さんまでネタにしてるし、俺も一言書きたいぞと思った。

今回の野球中継はライブで5試合ほど見たが、上位の力が拮抗している中での4位は、常にありえる結果だったと思う。うまくいけば金・銀もあったとも思うし、勝負は常に時の運に支配される部分はあるのだから、世の中そんなに甘くないという実感を日本国民が分かち持ったとしたら、それこそを教訓にすればいいのである。

あるいは、いやむしろ、というべきだと思うが、一番になることだけが価値じゃないというメッセージも、負け惜しみではなくある。この夏、子供が参加している高校野球に付き合って一ヶ月以上の間、球児達の悲喜こもごもを見てきたが、50歳も近くなったいま、しっかりと言葉となり感じることは「負けることは人生だ」ということだ。負け試合の後に人生は続く。そのことが重要なのだと思う。楽しみでテレビ観戦するプロ野球選手の試合は違うだろ、という声も聞こえてきそうだが、それこそは人生観次第だ。

勝者を見ることがオリンピックの楽しみか、それだけが楽しみかと言えば、まったく違う。今回のオリンピックで個人的に印象的だったのは、ここを突破すればメダルだという一戦を戦った卓球男女の団体戦だった。双方とも世界トップの壁に跳ね返され、無念の敗戦となったが、普段何の関心もない競技を観戦し、選手のゲームに対する執念を共有する時間は楽しかった。負けて、そこからさらに人生は続く。テレビ画面の中にいる赤の他人の涙に対して、頑張れ、と声をかけたくなるような瞬間を獲得できる得難い機会はオリンピック中継以外にはなかなかない。

俺の嫌いな星野の話はまたの機会にしよ。