規格化されたオリンピックって誰がつくってるの?

中国で開催されるオリンピックがどんな意匠を身にまとうのかに少し興味があった。ソウル・オリンピックのことはもうほとんど記憶にないが、それを韓国らしさと呼ぶことができるかどうかは別にして、映像に東洋っぽさは感じられたような気がする。もしかしたら、気がするだけで偽の記憶かもしれないけれど。

ところが、今度の北京オリンピックは、テレビで見るかぎり、異郷色は薄いなと感じられる。建築美という観点からみて洗練された会場、型どおりの運営。水泳を見ていても、陸上競技の会場が映されても、意識しなければそれが毛沢東の国で行われているスポーツ大会だと信じることの方が難しい。

目で見ればすぐ分かる会場の素晴らしさはともかく、運営が実に型どおり、かつスムーズに流れているように感じられて、それがとても不思議なことに思われた。あの運営ノウハウは誰が握っていて、その情報はどのようにやりとり(売買)されているのだろう? プラカードを持ったお嬢さんを先に立てて選手を入場させ、何分後かにきちんとスタートラインに並べ、終わったら選手を移動させ、合間で音楽にあわせてマスコットに演技をさせ、野球の試合であれば7回にはご丁寧にも「Take Me Out to The Ball Game」を流す、それらの垢抜けた運営は、どう考えても中国人だけで実現できているとは思えない。ここでこういうことをしろという仕様は、IOCから開催国にマニュアルのようなものとして渡されるのだろうか? もし、そうだとしても、それを中国人だけでやって、あんな風にアメリカやヨーロッパでやるのとほとんど変わらない運営になるのだろうか? 知らない者の、想像をする楽しみ。事実を知ってしまえば、儲けているのはどこかの国の、事実上の既得権を獲得している企業ということになるのかもしれない。そうだとしたら、それはどこの誰べえなのだろう?