『東京Eden』の愉楽

比較的最近『横浜逍遙亭・写真帳』を見つけてくれた『東京Eden』のmatさん(松下さん)は、ときどきとても優しいコメントを下さる。matさんのコメントは励ましに満ちていて頂戴するのが嬉しい類のものだ。そして、さらりと真実味のある批評をお書きになる。
最近頂いたコメントはこう。

こんばんは。
一連の写真を拝見して、いつも横浜とはペースが違うというか、ちょっと勝手が違うって感じを強くうけました。ところが、だんだん、やはり中山さんのペースで横浜流?で景色をとじこめ始めていらっしゃる点におもしろさを感じました。
こちらの写真へのコメント)


これは、つまり「出来が悪いぞ」という意味なんだ(掲載している本人が言うのだから間違いない)が、ブログ上での批評はこれぐらいのデリカシーがないとコミュニケーションが壊れることがあるよという線をしっかりつかんでものをおっしゃる。これが一種の芸であるのか、もっぱらお人柄によって来るものであるのかはさしあたり詮索をする必要はなく、まずは『東京Eden』を眺めてみればいい。この写真とひとくちエッセイのコンビネーションは絶妙と呼んでいいのではないだろうか。この前のエントリーで写真に文章を付けるのは難しいと書いたばかりだが、『東京Eden』はその難しいことを飄々とクリアしているように見える。matさんが風景と出会う瞬間が見える。そもそも東京にエデンの園を見ようというブログ・タイトルにmatさんの前向きなメッセージがはっきりと表明されていて気持ちよい。このかるみは大いに私の好みとするところだ。

■『東京Eden』へ