パソコンが2台壊れて、生き残った2世代前のやたら遅いLibrettoは、宿題に買い物にと家人の間をいったりきたり。モノが帰ってくるのに下手をしたら1ヶ月近くかかりそうで、しばらくブログの更新は"ときどき"ということになりそう。少し遠ざかってみると、誰に頼まれたわけでもないのに、こうして市中の個人の思念を吐き出すブログ書きの「寂しさ=他人を求める心の切なさ」がよく見えるように感じられるのが面白い。二日と空けずに書いているときは、書いている忙しさが楽しい。意識の下に透けて見える自分の感情はほとんどそれだけだ。仕事を含めてナントカ中毒というのはみなそういうことなのだろうなと考える。
mmpoloさん(id:mmpolo)に教えていただき、フィリップ・ソレルス著『神秘のモーツァルト』(集英社)を読んでいる。翻訳が堀江敏幸。クラシック音楽好きにはこたえられない一冊だ。先日読んだばかりの『疾走するモーツァルト』の小林秀雄+高橋英夫の日本チームと同じ素材なのに、こうも肌合いが違う文章が生まれてくるものかと、フランスのエスプリに賛嘆の声を上げざるをえない。これを読んでしまうと、もう一度『疾走するモーツァルト』に戻ってあれこれと考えることをどうしても強いられる。ブログ遊びができない分、しばらくの間この2冊で楽しめそうだ。「昭和は遠くなりにけり」と思いきや、「私=私たち日本人」の思考のパターンには昭和どころか、夏目漱石あたりまでまっすぐつながるものが生きているのを思わず実感。
- 作者: フィリップ・ソレルス,堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/05
- メディア: 単行本
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