選挙が終わった

衆院選が終わった。ともかくも節操のない政党が票を採れなかったのは慶賀の至りである。東京都議選からたった3か月でオセロゲームが起こったことになるが、あれはそもそもかつての民主党の政権取りと一緒で、ムードに乗っかった期待票を取りすぎていただけなのだから、ムードに乗って票を落としても仕方ない。結局、どぶ板を踏んで、握手をして回って、電話をかけまくって、お友達を勧誘して、という昔ながらの日本的選挙の掟を踏襲した党がしっかり得票し、無党派層のうち保守的な人たちは、みどりのたぬきならまだあべちゃんの方が信用できるわと自民党に投票して与党大勝ちとなり、無党派の左派層からは立憲民主党に一定の票が流れて、なんと野党第一党になった。という選挙だった。で、半分近い有権者は選挙に行っていない。

なんも変わりそうにない気がする。

日本とは何の関係もない話だが、遠く欧州のドイツでは9月の総選挙で極右政党がかなりの議席を取り、政権党で保守のCDU/CSUは、中道右派のFDPのみならず、左派の緑の党と初めて連立を組む話し合いを始めている。それぞれの政党のイメージカラーがそれぞれ黒、黄、緑なので、その3色が国旗であるジャマイカになぞらえて、かの地のマスコミは「ジャマイカ連合」などと呼んでいる。なんともダサい比喩だが、それもドイツっぽい。

1980年代から水と油の関係だった政党同士が連立を組めるのかどうかということで、話題と議論沸騰の模様だが、日本と違って立派だと思うのは、中東の難民受け入れに伴う税金の問題、環境問題の核であるエネルギー政策などと論点がくっきりとしており、マスコミも論点ありきの報道を続けているところだ。

こういうのを見ていると、議論がないままに代表預かりの実質解党が決まるだとか、税金の扱いを議論しないままになんでも国民のためにやりましょうと皆が声高に叫ぶだとか、大きい政府か小さい政府かの議論なしに二大政党制を実現しようだとか、さっぱりわけがわからない日本の政治はどうなっているんだろうと思わざるを得ない。

このブログで政治にまつわる与太話をしても仕方がないとは思うが、これではまずいと思っているんだよということは言っておきたくなったので。まだ何十年も人生がある人たちにはしっかりと考えて欲しいよ。