青春時代

私は正しい、他人は馬鹿だ、世の中が悪い、という類のメッセージを、しばしば聞く。きっと昔から、世の中が大きく変化をして、旧来の価値観や様式がうまく機能しなくなる時代には、社会とのズレの中で自身を正当化するメッセージを周囲の誰彼に吐くことで心のバランスをとってきた人は少なくなかっただろう。しかし、それにしても、そうした人がいまは多くないか、多すぎないかと言いたくなるほど、最近、そんな機会に出会う。

自分自身を振り返ると、若い頃は「自分は正しい」ことは「我思う、故に我あり」とほとんど同義で、疑うこともない人生の前提だった。しかし、歳を加えていくと、だんだんと、そんなに呑気でもいられなくなる。葛藤の先に行き着く境地がおそらく「老いては子に従え」ということわざで、それは生物としての盛りを超えた人間が環境に適応して生きていくための、人知を越えた側から送られてくる知恵なのではないかと思う。なんとか、その境地に自然と着地したい。そんな風に思う。できるだろうか。
冒頭のような言葉を、そんなに若いわけではない人が話すのを聞いていると、そんな人があまりにも多いように思われると、この時代の日本では、人の青春時代が、人々の意に反して伸びているのかなといった印象も受ける。ケツの青い40歳だとか、50歳だとかがごろごろしている時代だとしたら、そのイメージはやはり気持ち悪い。
去年の今日はシュンポシオン横浜だったなあ、などと思いながら、週末の13日を過ごした。