紙のコースター

11月になった。「もう11月か」という感慨が強い。

はてな近藤社長の日記に最近のはてなユーザーの傾向として白を基調としたシンプルなデザインが好まれている事実が紹介されていた。テキストそれ自体を読ませたいブロガーはコンテンツに下手な作用を及ぼさないシンプルなデザインを選択する傾向が強そうだという話。僕も直感的にはそう思う。そういうシンプルなデザイン・テンプレートを増強するという方向にはてなの良心を感じる。

シリコンバレーにいるはてな近藤社長つながりで、こんな写真を紹介する気になった。僕の会社のデスクに2000年晩秋からずっと置いてある楕円の紙製コースター。「Gordon Biersch」というビールの醸造所付きのしゃれたレストランで帰り際にポケットに入れてきたものだ。場所は生まれて初めて訪れたサンノゼ。同地のマリオットだったか、大きなホテルに泊まって、何の土地勘もないままに東京から同行した当時の同僚と市街をぶらぶらしながら見つけて入った店だった。ニューヨークでも90年代後半に醸造設備付きのレストランが一種のブームになっていた。「Gordon Biersch」というのはてっきり土地の資本かと思っていたのだが、そうではなくて、Webで検索したら米国のあちこちで手広く展開している会社のようだ。






あれからいくつものデスクに座ることになったが、このコースターは常に僕の机の上にあって一種のお守りみたいになっている。別にデザインが優れているというわけでもないし、そのレストランに多大の思い入れがあるというわけではないのだが、なんとなく手放せないのは僕なりに米国西海岸の空気を意識の端に置いておきたいからだと思う。だいぶ周辺が剥げてきたし、二代目を求めてまた訪れてみたいという気がしてきた。