港まで写真を撮りに

朝6時半、港まで写真を撮りに出て、しばし逍遙。昨日の夕刻関東南岸を走りすぎた晩秋の台風によって破壊されたビニール傘を嫌というほど目にする。無惨というか、壊れた傘を平気で道ばたに捨てて歩く御仁がこれほど多いのかと、そのことに日本の現在の断片を見る思いがした。

帰宅してワールド・シリーズをテレビ観戦。判官贔屓で2連敗のロッキーズに勝たせたい気もあり、ワールド・シリーズ初登板の松坂に勝たせたい気もあり。まぁどっちでもいいんだけど、並はずれた技能を持つプレイヤーが血眼になって戦うワールド・シリーズは面白い。ときどき映る観客席の表情がいいんだよね。

と、デンバーで行われているワールド・シリーズは何度が訪れたデンバー市街に思いを連れて行く。あれは何の仕事だったのか、誰と一緒だったのかも記憶から抜け落ちているが、真冬のデンバーに宿泊したことがある。雪はそんなになかったが、辺り一面が氷の中に埋まっていた。ちょっと宿を出たら、まるで巨大な冷蔵の中に入ったようで、死にそうに寒かった。巨大なつららがあちこちからぶら下がっていたっけ。

その時か、別の機会か、デンバーのウェルティン・ホテルに泊まったときに悪夢にとりつかれ、自分の叫び声に驚いて、だだっぴろい部屋のベッドの上で目が覚めたことを覚えている。しばしばうなされる質で、家族からも「うるさい」と嫌われている。実はそのホテルの部屋ではかつて首つり自殺があって、と怪談話につなげられたら面白いのだが、どうなんでしょうね。ホテルなんて、何がいつあってもおかしくないからね。