『悪童日記』

アゴタ・クリストフの『悪童日記』を初めて読んだときには、文学にはまだこんな方法が残っていたのかと率直に感動した。今日久しぶりに通勤の行き帰りで読み返し、読み終えた後に奥付を見て僕が買った5刷が1992年5月、初版が91年1月だったことを確認する。そんな以前の発刊だった事実に驚き、かつ苦笑する。実に一昔以上前なのに未だに僕の中で「最近読んだ最も新しい小説」として記憶に残っているのだから質が悪い。記憶に残る作品は希だとしても、いったい『悪童日記』三部作から今日までの間に読んだ数多の小説は何だったのか。


最近、“いじめ”にしばしば思いをいたす。『悪童日記』を読んでもまた。しかし、このテーマについては迂闊に思いつきをブログで書き散らすべきではない。