年々歳々

長く使ってきたデイパックがそろそろ寿命というので30年前から買い物をしている登山用品の店に買い物に行った。久しぶりにザックの並びを見てびっくりしたのは、昔のブランドがかなりなくなってしまい、聞いたことがないメーカーが幅を利かせていたこと。フランスのミレーやイギリスのカリマーは健在だったが、ショイナードなどどこにいったのか。店員さんにいろいろと教えてもらい、最終的にドイターというドイツの製品を購入した。新しいメーカーはどれもデザインといい、品質といい、だから古いメーカーを出し抜いたのさと言わんばかりに特徴があり、背負い心地に一家言ある。ちなみに購入したのはこんな商品です。

■Deuter Trans Alpine


ザックのようなほとんど技術革新がない分野でさえ、30年経つと企業の栄枯盛衰は顕著なのだ。それを考えると、選んだ仕事がこんなはずではなかったと、人生に後悔がつきまとうのはごく自然なことに思える。とりあえず、金の多少ではなく、これが好きと思えることに携わること。


ザックの種類は様変わりしたが、如何にも山登りに命をかけていますといった雰囲気の、感じのいい若い店員さんが、まるで30年前と同じようにそこに立っていた。その、一瞬既視感にとらわれたかのような情景に静かに鼓舞された。