映像とテキスト融合の試み

昨日、話題に取り上げたイベント『映像デバイスの未来、ブラウザメディアの未来』では、神田敏晶さん、橋本大也さん、麻倉怜士さんのトークショーの前に(株)メタキャストCEOの井上大輔さんが登壇し、『TAGIRI』というアプリケーションの紹介をしてくれたのだが、これは面白い試みである。Windows PCに貯め込んだ映像に対し、自動的に一定間隔でサムネイルを作ってくれるソフトで、サムネイルに事後的にタグを付けて分類に使ったり、遊んだりするような使い方ができる。メタキャストのホームページと井上さんのブログに説明があり、ダウンロードして使ってみることができる。


■メタキャストCEOのテレビ観察日記
■株式会社メタキャスト


今のバージョンのままで使おうとすると、ある種のオタクっぽい感性か、この種のアプリへの感覚的な慣れが必要な気がするし、僕自身はコレを今すぐ使いたくなるようなヘビーな映像ユーザーではないが、映像コンテンツをあとでチェックしなければならない用途には便利で、素晴らしい発想だと思った。開発者側は意図していなかったものの、YouTubeのビューワーとして重宝されたりもしているという報告があった。


メタキャスト自体がテレビブログという消費者向けサービスを提供している会社であることもあり、イベントではアミューズメント的な用途への可能性に触れる話が大半を占めていたが、こうしたソフトがあれば映像をビジネスシーンで活用する機会が広がるという連鎖もありそうだ。映像を使った社内広報や社員教育用教材なんかが使いやすくなりそう。映像版取扱説明書なんか便利だぞ。映像にタグを入れるという文化は作ることができるだろうか? ソフトの使い勝手がよければ、ありえるのではないか。メタキャストが挑んでいる映像とテキストのクロスオーバーの世界は新しい感覚と実利の世界を開きそうだ。


こうした新しい試みがエンジニアの次のチャレンジや先端ユーザーのニーズを刺激していくのだろう。新しい情報活用の枠組みづくりに挑戦するメタキャストは意欲的な会社だ。とても勉強になった。