コンサートは世界を走る

ニューヨークタイムズの音楽欄がブロードバンドの普及に伴ってライブミュージックをインターネットでプロモートする音楽産業の動きが本格的になってきたという記事を掲載している。ニューヨークタイムズは無料の会員登録が必要になるが、ご興味のある方はご覧ください。

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数百万の聴衆を集めることが出来るのは一流のミュージシャンに限ると相場は決まっていたのに、YouTubeを介して自分たちのライブ映像を流しはじめ、プロモーターたち自体がその流れを自分たちのビジネスに活用しようと躍起になり始めているという話。ナンバーワンISPであるアメリカ・オンラインらがNetwork Liveというベンチャーを作り、電話会社最大手のAT&TBlue Roomなる音楽サイトを立ち上げる。YouTubeにメジャー・レーベルが率先してビデオ・クリップを流していることを見れば業界の本気度が分かり、コンサート・プロモーター最大手のLive Nationが120のコンサートを録音して流すなど、これまでなかった動きが始まっていると同紙は報告している。

こんなイベントのこともその記事の中で紹介されていたりする。
http://oops-music.com/info/view_news.html?nid=25391


僕自身は映像にもポピュラー音楽にもあまり関心がなく、You Tubeの存在も梅田望夫さんのサイトを読んで初めて知ったぐらいだし、こうした報道を読んでも消費者として食指が動くことはないが、産業の動きとしてはとてもすごいと思う。AT&Tが音楽サイトをやる、というのは日本で考えればNTTが率先してその手のことをやるのと同じだから、あちら様は積極的だ。

この記事を読んで非常に気になるのは、これらの動きは「米国でブロードバンドが普及してきた」から起こり始めたということだ。総務省様は、日本のブロードバンド普及率はあっという間に米国を抜いて世界一、e-Japan計画大成功、と自画自賛モードだけれど、でも日本でこういう派手な動きが最初に起こることはなく、結局、米国のブロードバンド市場が立ち上がるのを待たなければならなかったという点はよーく考えてみる必要があるかもしれない。

昨日の亀田興毅の世界戦といい、やっぱり世界にはどこかに中心があって、我々日本人はそこからはるかに離れた芝居小屋で村芝居を楽しんでいる田舎者なのかねえとそんなことを考えてしまいませんか。

仲間内で自画自賛を繰り返しているようだと4年後のワールドカップも前途多難だ、と思うことしきり。