開高健記念館

札幌の三上さんから開高健記念館と開高の警句が新年に届きました。新年早々、またブログの不思議に虚をつかれました。

■開高健記念館(『三上のブログ』2007年1月2日)


数年前に初めて彼の居所だった開高健記念館を訪ねました。ファンとしては聖地巡礼の心持ちで、行くというだけで緊張したものです。他人から見たら馬鹿みたいですけど、ファンの心理というのは面白いものです。彼の生前、茅ヶ崎に開高が住んでいることは知識として頭の中にありました。私の住む横浜からはすぐそばです。本当は一度会いに行きたいと思っているのに、そんなことは畏れ多くて実際には思いつきもしないのでした。

ひんやりとした空気が充満した記念館にはボランティアのご婦人が二人。お話をしてみると開高さんのことを直接ご存じの近所のご婦人方がボランティアで詰めているのです。昔話を少し聞いて、うれしくなりました。彼を慕う人が真心で記念館の運営に関わっている。空気が暖かくなったような気がしました。思わずいろいろな話をしました。「あなたみたいな若い方がいらっしゃたら、開高先生、喜んだでしょうねえ」と、そのご婦人が唐突にしみじみとおっしゃり、その時も虚をつかれたと感じたものでした。

テレビでは箱根駅伝の中継中。トップの選手は茅ヶ崎を超えて藤沢市に入ってきたとアナウンサーが伝えています。私の住む戸塚でも中継のヘリコプターの音が大きく聞こえてきました。

入ってきて
人生と叫び
出ていって
死と叫ぶ

開高らしい大げさな物言いですね。気恥ずかしくて自分ではこんな言葉は書けない、読めないと、しばらく開高から遠ざかっていたのですが、ここ1、2年最近、またぼちぼちと読んでいます。三上さんがご紹介されている上記の言葉は、『夏の闇』か『輝ける闇』にあったフレーズのはずです。開高のことだから、フランスの文豪の言葉か、中国の古典ではないかと思います。誰かご存じの方がいたら教えてください。